ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

オビワンVSアナキン~SW・EP3「シスの復讐」ピンポイント感想1~

Posted by ふざけおに on   11 comments   2 trackback

以下ネタバレありです。

○博愛VS自己愛
「I LOVED YOU!」というオビワンに対し、「I HATE YOU!」というアナキン。映画でこのやりとり観た時、やっぱり二人の愛の種類が違うなと思いました。
オビワンの愛は執着の少ない博愛の延長で淡泊だが表裏のない無償の「愛」そのものなのに、アナキンの愛はオビワンのそれよりケタ外れに深く、こんなにあなたを「特別」に愛したのに、あなたは相応の「特別」な愛を返してくれないという負の念をも含む、「愛憎」に思えました。
アナキンの愛は激しく情熱的なのですが、常に相反する負の感情が伴い、ひとたびバランスが狂うと憎しみに飲まれてしまう種類のもので、オビワンの愛に負=闇はなく、アナキンには闇があるんです。

○利他的行為VS利己的行為 ~ 陰のある者はヒーローになれるが、ジェダイにはなれない。~
冒頭のオビワン救出のために命令に背いても全力をかけるアナキン。
ジェダイは完全に滅私で利他的行為で人助けをしているのですが、アナキンの場合はそうではないとわかります。
オビワンを守るのも、パルパティーンをメイスから庇ったのも、妻を死なせたくないのも根っこは同じで、大切な人がいなくなってしまったら、「自分」が辛いから。その人を救えなかったら「自分」が無力感を味わい苦しむから。人助けをするのはジェダイとしての有能だという自分のプライドのためという感じで、常に自分が傷つかないために彼は人助けをしてるように見えます。
たいがいそれは英雄気質と讃えられるわけですし、それが人間らしさなのですが、ジェダイとは喩え自分の愛する者と失っても、心乱さず多くの人と平和のために滅私で奉公しないといけないようです。
陰のあるヒーローはジェダイになれないとでもいうか、アナキンは心の傷を既に持ってしまっているため、愛する者に執着を抱かない生き方ができないタイプだから、自分と自分の愛する特定の人のために生きる生き方を(ハンソロ程度の公共心で)していれば幸せなのに、最強のジェダイになりたいという地位への欲求も捨てられないから破綻して行くんだろうとなんとなく予想はしてました。

○エゴイズムの代償
結局アナキンはジェダイの教義の滅私で善意をなす生き方に馴染まず、自己愛に生きた結果、我執がアナキンを破滅させたのかもしれません。
オビワンは、特定の人に執着せず、身近な人も見知らぬ人も同じように平等に大切に思う生き方、仮に特別に愛する人を喪失しても自分の悲しみを乗り越え、他の愛する対象を見いだして前に進めるのでしょう。無我の境地を保つのが偉大なジェダイであるというのはよくわかります。
もちろんオビワンは博愛と言っても、アナキンを「弟のように」愛していたと言ってるので、博愛よりは特別な愛をアナキンに注いでいたのかもしれません。でも弟子が、「悪」に変わってしまった以上アナキンは死んだのだと、かつては愛していたが今は愛していない、と割り切る強さがあるんです。(パドメやルークは悪に変わっても愛し続けてしまう。)
アナキンは喪失の悲しみに耐えられない弱い自分を恐れるから、高い能力をフル活用して喪失を回避しようとする。。。。けれど、いつかは人生は喪失の繰り返しだという限界を認め、それを乗り越えないと、、、、若さゆえにそれができないための悲劇でした。
ジェダイの禅のような思想や光と闇の関係がそんなによくわからない立場で言うと、人としてアナキンが妻子を救おうとした思いは尊いし、名も知らない他人のためとか大儀や信条よりも、身内を救おうとすることも別にそれは問題ないと思うんです。ジェダイとしては失格かもしれませんが。
だから現実にこういう事件が起きた際、アナキンが妻子とジェダイの教義で妻子を選んだのは○、妻子を救おうとシスに転向したのもありで○、シスに忠誠を誓い反対勢力であるジェダイ撲滅のクーデターを起こしたのもまあ、性急な若者らしいかなで△、ここまでは善ではないが完全な悪とも言えず、なんとなく人間の業としてありそうだと理解はできるんです。
でも、罪のない子供のパダワンまでも殺害したのは×、彼が父親なら自分の子供がもし殺されたらどんなに辛いかを全く考えてないエゴイズムで、人の道を大きく外れています。
他の人より自分の子供を優先に救おうとするまでは肉親の情であり悪ではないですが、我が子を生かす引き替えに罪もない他の子を殺したら悪だと思います。
また抑圧してきた暴力性を解放し、殺戮に酔ってる段階で彼の最大の長所であった人間らしさは全くなくなり完全なる「悪」に転落してるわけです。
だから愛する者全てを失い、暴力に心酔した手足を切られてその身を業火で焼かれるのも自業自得という結末に納得しました。
アナキンが無償の愛を捧げる対象は「家族」なので、それは人として素晴らしいことだし、愛する人の喪失を受容できなくて苦悩するのも極めて人間らしいので、ここまでは悪いとは思えないのですが、、、。
他人の血を代償に人の道を外れてたら、仮に命を救われても愛する人は絶対に幸せにはなれないこと、その人は生きようとはしないだろうことをどうして思い及ばないのか。それは妻子への愛ではなく自分のことしか愛していないエゴイズムだと気付かない、アナキンは愚かだと思いました。
20050705102544.jpg

落ち着いて考えてみると、オビワンのは博愛であって「無償」の愛ではないかもしれません。
こちらにオビワンとアナキンのすれ違いを再考してますので、よろしければお立ち寄り下さい。
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Comment

たぁる 10mg says... "TBありがとうございます。"
うーん、そうも観れるんですね。

もし、そうだとしたら、ジェダイの皆様の導き方が間違っていたことになるのかと思いますね。又は、アナキンを発掘するのが遅すぎたこと。

EP1で、歳を取りすぎている=家族や友人に対しての愛着が育ってしまっている→未練があることを知りながら、パダワンにしてしまったこと。

そこが最大の過ちだと思います。

その過ちからストーリーを創ったジョージ・ルーカスに完敗。
2005.07.13 20:05 | URL | #qyXIsP1c [edit]
ふざけおに says... "たぁる 10mg"
あ、あくまで思いつきですので、あまり真に受けないで下さい。違うかもしれないです。
もちろん悪いのはアナキンで彼が愚かだから悲劇が起きたんですが、その悲劇がなければジェダイイも悟れなかった真実があるのでは?ということです。ファシズムの暗黒時代がなければ、共和制の恩恵を民衆が忘れるように。暗い夜がなければ、新しい朝が来ないということなのかなって。

>最大の過ち
クワイガンがアナキンを連れてきたのが、フォースの導きなら、アナキンがジェダイになるのも、シスになるのも、結局フォースの意思なんだと思います。どんな形であれ、アナキンが予言を成就するのもまた動かし難い未来だったんだと思います。
長い目で見ればクワイガンには先見の明があって、あれで良かったということでいいんだと思います。
で、映画見てると、目先の不吉な予兆が漂った時、じたばたせず、ヨーダのように、あるいは後年のオビワンのように、じっと流れに任せればいいものを、そうできない者が悲劇を余計大きくしてるって感じでしたね。ジェダイーオーダーの存亡に執着するメイスと妻子に執着するアナキンが特に。
だからそちらの「禅」にふれた文章にちょっと感じるものがありました。
ジェダイが善で、シスが悪だと描いてるんですが、完全な善も、完全な悪もない、善の中に悪があり、悪の中に善がある存在が、善をなして新たな時代を築く、ということなんだと思います。

>その過ちからストーリーを創った
そうですね。
EP4~6のオビワンやヨーダ、ベイダーのやりとりから、過去何があったのかを作り出したのかもしれないです。私の記憶では旧作の時、アナキンはオビワンとそんなに年齢が変わらない設定だったと記憶してますが、それを年齢差をつけてストーリーを作ったのは、すごくうまかったなって思いました。
2005.07.14 01:08 | URL | #- [edit]
ふざけおに says... "たぁる 10mgさんへ"
上の記事タイトル、すみません。「さんへ」と入れるの忘れてしまいました。
大変失礼しました!
2005.07.14 01:15 | URL | #- [edit]
梅子 says... ""
ひゃー。すごいですねー!そーかー。そーなのかー。
なんだか納得させられてしまいました。すごい。
なるほど。
なんか自分的にはすごい、「娯楽」的に見ていたので、なんだか畏れ多く感じてしまいました。
奥が深いっすね。。。
2005.07.30 00:32 | URL | #L.O2nn6s [edit]
ふざけおに says... "梅子さんへ"
きゃあ、こっちこそ考えすぎかもしれないです(汗)
考えるのが、好きなだけです。ヘイデン・クリステンセン演じるアナキンが好きですし。
梅子さんもFC2ブログですよね?5月に最初にSWのスレッドテーマを立てたの、私なんです。
映画のスレにSWがないので初めてでしたが、思いきって立ててみました。
そしたら、その後すごい盛況みたいで、うれしかったです。
今見たら、その後2つSWスレ立ったんですね。
何にせよ、世間の盛り上がりはうれしいです。
今後ともよろしくお願いします。
2005.07.31 10:18 | URL | #- [edit]
毒チワワ says... ""
う~ん

○博愛VS自己愛 ○利他的行為VS利己的行為 ~ 陰のある者はヒーローになれるが、ジェダイにはなれない。~ ○エゴイズムの代償

の感想を読ませてもらいました。大体、僕と同じ考えかもしれませんね。
エピソード3の映画もよかったですけど、本もかなり面白かったです。
ヨーダがなぜ負けたのか とか アナキンが暗黒面に入るときの心境とか ジェダイ達がフォースをどう感じているかとか 詳しく書かれてるんで読んでみる価値あるかも♪

まぁ映画や物語の世界ですから、あまり深く考えることないかもしれませんが。
現実で考えたときには、僕はジェダイもシスも設定的に偏りすぎてるんではないかと思いますね。大まかに言ってジェダイは公共心のみを目指すの集団で、シスは私的な利益のみを求める集団。
ただ、現実の人間だったらどっちも持っているはずですよね。それで時には暗黒面(?)に入ることもあるし、暗黒面に入ったからこそ正当な道を行こうという場合だってあるかもしれない。人間の精神は公心と私心の葛藤をどうにか和らげて一歩づつ、綱渡りをしているような感覚でいるんじゃないかと思うんです。でも、その綱から落ちたとしてもはい上がれる気力もある。そうやって七転び八起きしながら一歩づつ進んでいると思うんですよ。
でも、スターウォーズにでてくるフォースの暗黒面に落ちたら、自己愛のみに転落するという事になってますよね。

う~む。それほどフォースは人間に影響を与えるんでしょうか。まぁ900年生きてるヨーダさえもフォースは神秘なものって言ってますから不思議な力があるかもしれませんね。

僕は、「○エゴイズムの代償 」のところで、

「アナキンが妻子とジェダイの教義で妻子を選んだのは○、妻子を救おうとシスに転向したのもありで○、シスに忠誠を誓い反対勢力であるジェダイ撲滅のクーデターを起こしたのもまあ、性急な若者らしいかなで△、ここまでは善ではないが完全な悪とも言えず、なんとなく人間の業としてありそうだと理解はできるんです。
でも、罪のない子供のパダワンまでも殺害したのは×、彼が父親なら自分の子供がもし殺されたらどんなに辛いかを全く考えてないエゴイズムで、人の道を大きく外れています。」

という感想を書かれたのをみて、なるほどなと思ったんです。
アナキンはすべて悪になったという風な一面的な解釈をするのではなく、時と場合と場所にあわせて「これはまずい」「これは仕方ない」という風に判断することは大切なんじゃないかなと思いました。もちろん、大きな流れをみて判断することも必要だとは思いますが・・・

まぁ、全体的にみて深く考えられている良い感想だと思いました。
2005.08.18 02:39 | URL | #PoCQrl/M [edit]
ふざけおに says... ">毒ちわわ様"
どうも初めまして。HNが素晴らしいですね(^^)
コメントありがとうございます。

>僕はジェダイもシスも設定的に偏りすぎてるんではないかと思いますね。大まかに言っ>てジェダイは公共心のみを目指すの集団で、シスは私的な利益のみを求める集団。
毒ちわわさんがおっしゃる通りだと思います。公私もバランスですよね。
私も以前は憎しみに囚われ、周囲に疑心暗鬼になったことがあるので、おしゃることよくわかります。そんな時、自分の側にいたのはやっぱり家族だったし、救ってくれたのは無心で私も求める子供でした。子供はどんなダメ人間の私でも、私を必要としてくれるんだーって思えたから立ち直れました(恥)

>暗黒面に落ちたら、自己愛のみに転落する
シスの思想を受け入れるということは結局行き着くところ「自分」だけしか愛さない者になることで、際限なく欲求が湧き正常に保たれていたバランス感覚が狂ってしまうのでしょう。
シスになるリスクをアナキンはちゃんと理解してなかったんだと思います。
シスからベイダー以外は誰も戻ってこれないのは、ジェダイもジェダイが堕落したシスも、心からその人を愛してくれる存在をジェダイの掟によって絶たれてるから、悪に変わったら誰も手を差し伸べてくれないからなのかも。ベイダーには愛の結晶があったから、戻って来られたのでしょうね。

>時と場合と場所にあわせて判断
私はEP3のアナキンの行動はおおむね間違ってはいないと思ってるんです。
でもその彼が何故手足を切断され業火に焼かれなければならにのか考えた時、これだけはどんなに大儀があろうと我が子を救うためであろうと、やってはいけない「人道」の線を越えてしまったからだろうって。私が彼だったら、△まではやると思うんですが、×のところで我に返る人間でありたいって思ったし、パドメも×前で踏みとどまってくれれば死を選んだりしなかったと思うんです。
戦争に正義と信じて志願した兵士が、いかな命令でも幼き子を殺せと命令されたら、「これはおかしいぞ」と感じられるかそうでないかの違いは大事だなって。
例えばナチスドイツ下で(オウムのサリン蒔きでもいい)、1ユダヤ人への虐待を当然のことと喜んでやる人、2酷いなって思いながら従う人、3命令に逆らってもやらない人、自分はいくら何でも2か3だなって。アナキンはジェダイに対しては1(のように見えます),通商連合には2ですが、2であっても罪ですよね。

>大きな流れをみて判断することも必要
結局アナキンは、肉親の情を理解しないジェダイ滅ぼし、肉親を殺そうとしたシスを滅ぼし、
肉親の情のあるジェダイ(心にシスを内包している)を残したんですよね。
彼の判断基準は善悪ではないように見えます。大切な人への思いを踏みにじる者は、ジェダイであろうとシスであろうと彼によって滅ぼされるのですね。そこがジェダイ(シスも)の盲点であり、アナキンのEP6の判断をフォースは最も価値のある行為と認めたのかしれないとなんとなく思いました。

>全体的にみて深く考えられている良い感想
合格点いただけてうれしいです~。
実はこの感想を書いた後、小説読みました。ジェダイと共和国の崩壊は必然だったってことですよね。
これはピンポイントでそこだけ切り取った感想ですが、全体を俯瞰した感想はまた別のところにありますので、良かったら、読んでやって下さいね。最近のではこれですね↓
http://fuzakeoni.blog3.fc2.com/blog-entry-138.html
http://fuzakeoni.blog3.fc2.com/blog-entry-139.html
またおいで下さいね~。
2005.08.18 13:43 | URL | #- [edit]
めいてん says... ""
こんばんは。理由があり夜中に暗黒面と執着の検索をして、ここにたどり着き読みました。

今、私はちょうど手足を切断され業火に焼かれています。

このまま暗黒面の自己愛に走りたい気持ちでいっぱいです。

親や仲間の愛や信頼を知らない渇いた心だと自分の為に愛や信頼を求めてしまい、当然拒絶され孤独になりさらに心が渇き…これのくり返しになります。

そうこうするうちに、やがて自分の欲求を満たさない、自分に愛や信頼、優しさをくれない世の中に恐怖と悲しみと怒りを感じ、自分の力に頼ろうとします。

やがて憎しみのエネルギーによってストイックに鍛錬し、力を得ることが出来ますが、その力で自己愛を実現しようとします。

しかし力では、愛や信頼、優しさを手に入れられないようです。

他人が自分を愛してくれず、自分で自分を愛しても孤独から来る愛への渇望を満たせず、最終的には自分が幸せになれない(まさに手足を斬られ業火に焼かれるの)なら他人を不幸にすることで平等にしようとしてしまいます。

今の私は暗黒面の誘惑を受けているのですが、どうすればいいでしょう。
2010.04.20 03:49 | URL | #L2R5qICI [edit]
おに says... ""
>めいてん様
辛い思いをされてるのでしょうね。
ごめんなさい。私はカウンセラーとかの専門家ではないので、お力にはなれないと思うのですが、少しでもめいてんさんの置かれた状況が好転することをお祈りしてます。
私自身、アナキンがジェダイに帰還した時、到達した境地に自分もなれるだろうかって、考えさせられます。
2010.04.22 15:50 | URL | #mQop/nM. [edit]
めいてん says... ""
お返事ありがとうございました。

返信が頂けただけで、もはや救われる思いです。それで満足し感謝いたします。

あと、暗黒面の誘惑に勝てました。自己愛は捨てられました。
2010.04.22 19:41 | URL | #L2R5qICI [edit]
おに says... "めいてんさんへ"
どうぞあまり無理なさらずに。
自己愛は誰にもありますから、決して悪いものではありませんよ。
要はバランスの問題だというのがSWでした(^^)

どうぞまたこちらにおいで下さいね。
2010.04.25 23:05 | URL | #- [edit]

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