ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

SW・EP3「シスの復讐」~私的考察2

Posted by ふざけおに on   6 comments   3 trackback

アナキンの内的均衡とフォースの均衡
君のためなら何でも捨て去る。友人も、人生の全ても』というアナキンの心情は、EP6のアナキンの最期の心情とシンクロしていることに改めて気づかされる。
P221 私は大いに泣かせたルーカスの言葉だ。
(原文まま→
「サーガの終わりで、アナキンは単純に心の中で次のようなことを思っているんだよ。『私はこの子を大事に思っている。それが自分にとってどんな意味をもとうと関係ない。この子を救うためなら、私は持てるものすべてを、愛してきた人たち(第一に挙げられるのは皇帝だ)すべてを放棄するだろう。そして、自分の命をも投げ出す覚悟だ。そしてそれを私は行っている。この子が自分を信頼してくれているからだ。私はこれまで銀河に無数の恐怖をもたらしてきたが、それでも彼は私を愛してくれている。さらに、私は彼の母親の心を破滅に導いた。だが、それでも彼は私を大切に思ってくれている。この子を死なせるわけにはいかない』とね。最終的にアナキンは大きく変わった。すなわち予言は正しかったということだ。選ばれし者だったアナキンが、フォースのバランスをもたらしたんだよ。彼は自分の中にわずかな善の心を残していて、息子への思いやりから皇帝を滅ぼしたんだ。」
アナキンは、ルークから実母を奪ったことを悔いているのが特に印象に残った。我が子から母を奪った父親の悔恨は、そのままルーカスの体験が重なってるようにも思えてはっとしたのもある。
死を目前にしたアナキンに自分を憐れむ気持ちはなく、息子から母を奪ってしまった痛みだけを感じている。かつてのアナキンはいつも「自分」の傷つきばかりを感じ、周囲を恨んでいたことを思えば、彼は変わった。ダークサイドから帰還したアナキンに自分はなく、ただルークだけを思いやっている、、、。
彼は自分を信じてくれるかけがえない我が子を救えたことに満足したから、その魂は救済されたのである。
ファウスト※の「時よ!止まれ!お前は美しい」という瞬間であろう。

SWは運命論?
アナキンは大きく変わった>と ルーカスは言う。
パドメを救おうとした時の彼の決意も私は泣ける。あの時も彼は全てを犠牲にする覚悟で親友さえも裏切ったのだけれど、自分の願いを叶えることしか眼中になくなりパドメの願いをかなえようとはしなかった、、、対し、ルークを救おうとした時は、ルークの願いだけをかなえるために全てを捨てた。
(EP3とEP6のアナキンの行為の違いは、以前ここに書いている。)
彼は全てを失って初めて、自分の現状を受け入れた。機械の体と悪に歪んだ人格以外の一切を喪失しなければ、彼は状況に諦念することを学べなかった男なのである。
P53でアナキンの転落の理由を「人生の道程や変遷の現実を受け入れないこと。生々流転のね。」とルーカスは語り、P221では「すべてを手放せる人間はいない、それはとても難しいことだ。でも最終的に僕らは忘れ去る。」と言う。
人は状況内存在だから、運命をひたすら受容するのが良いというのがSWの結論なのだろうか?
極論すれば、死を宣告された我が子を救うために、治療法を求めて方々の医師を尋ねるのも愚かだろうか?座してその子の死を待てとヨーダは言うだろうか?
というわけでもなく、なすべきことをなせと言うだろう(笑)。
(もっともルークの生命の危機はまさに現実に目の前で起きていることだったが、パドメはその死を恐れている段階でまだパドメは無事だったことを思えば、アナキンの苦悩は目の前で起きている喪失の現実ではなく、恐れや不安そのものだったので、その苦悩を克服するには喪失の恐れを手放せと、失うことを恐れるのは執着だからとヨーダは言ったのだと思われる。実際にパドメに生命の危機が及んだらそれを助けようとすること自体を否定してるわけでない。ルークの時は失う恐れからアナキンは行動したわけではなく、救いたい一心の行動だった。)
愛する者全ての喪失を代償に諦念を獲得したアナキンは、運命に従い悪の中にとどまることになったが、けれどやはり息子を救うためには現状を変えようと彼らしい行動をとった。
アナキンは欠点も多いが美点も大きい。愛する人の危機を救わずにはいられない男なのだ。その長所が彼を突き動かし、運命に介入した瞬間(それこそが運命なのだがーー;)、彼は自らの運命の呪縛をも解いたのである。
だから、結末から言えば、現状を変えようと挑戦することと今ある現実を受容し諦めること、運命に立ち向かうことと運命に従うことも共存しているものなのかもしれない。端的に言って、自分の愛する人を救おうと努力することと、どうしても救えない命があるという現実を受容することも、これまたバランスではなかろうか。
それを監督が意図したかどうかは定かでないが、個人的にはそう受け止めている。

思うにフォースが求めたのは、善か悪のどちらかではなく、その両方を内包した者がそのバランスをとって善を成せるジェダイだったのだろう。
まずルークがその境地に達し、ルークの信頼に応えてアナキンが、自分の中の悪を善で、闇(憎悪、嫉妬、欲望)=ベイダーを抑えて、光(良心と愛)=アナキンが彼の意識を満たした時、彼は万物と調和して生きるに理想的なバランスを取り戻した瞬間とも言える。
アナキンの内的均衡と呼応するようにそこで予言は成就し、宇宙のフォースにバランスがもたらされたのである。
非常に示唆に富む結末で、アナキン同様人間誰しもジェダイでありシスであるが、自分の中のシスを認めその誘惑に抗いながら、ジェダイを理想と目指す生き方をすることが、観客に求められたバランス感覚なのかもしれない。

○無条件の愛を引き出す者
P221、アナキンの心情についてルーカスは次のように語ったという。
(以下本文まま→「実際にこれは学ぶことと密接に関わっているんだよ。子供たちは思いやりを教えてくれる。彼らは無条件の愛を教えてくれる。」アナキンに無償の愛を教えてくれるのは、彼の子供達でしかないのだ。
この結末に私は大いに感ずるものがある。
「親子の情愛は愛の根源」と以前私は感想で書いたが、それは実は生物の細胞レベルで仕組まれたより原始的で自然な「愛」なのだ。愛もDNAの情報で、次世代のためなら自己を犠牲にするのは何も人間だけの特徴ではないのだという。
アナキンは母の無償の愛を知っているから、息子への無償の愛を20年の闇を越えていともたやすく抱くことができた。。
アナキンはシスを滅ぼすとかジェダイに帰還するとか正義がどちらにあるかとか、一切何も考えず自分を顧みずに我が子を救ったように見える。自分を捨て無心に他人のために尽くすのがジェダイなら、彼の行為こそ所属集団(社会)の掲げる大儀さえも捨てて、次世代に命を捧げた宇宙の理に最もかなった愛のありようだったのかもしれない。

○ジェダイとアナキンの利害関係
では何故ジェダイは彼に「無償の愛」を悟らせることができなかったか、、、ルークとレイアが短時間で教えることができて、ヨーダやオビワンにはついに教えることができなかったのは何故なのか、、、、
それはジェダイは彼に向けたのが無償の愛ではなかったからという気がしてならない。
彼は最初から「選ばれし者」として、バランスをもたらすことを期待されており、そこにある種のジェダイとの利害関係が生じてしまっている。彼は無償の愛ではなく、期待に応え成果を挙げる見返りをカウンシルに求められて来たように感じられる。

それはオビワンも同じかもしれない。。オビワンは肉親の愛を知らないから、師弟愛や義兄弟関係の愛を肉親の愛と思いこんでいるが、真の肉親の情愛とは存在そのものを祝福し、存在してくれることだけに感謝する愛だ。
アナキンがパドメへの愛が盲目となりすれ違っていくのと同じで、オビワンのアナキンへの友愛も盲目となりすれ違いがあるように思える。

「選ばれし者だったのに!シスを倒すはずの者がシスになってしまうとは。」とオビワンが嘆いた瞬間、私はそれが良いか悪いかでなはく、ああ、だから二人の心にすれ違いが生じたんだと納得した。
多くの人を泣かせる名台詞なので(初期構想からずいぶん台詞を練りに錬られた末のアナキンとオビワンの決別のやりとりについては後で言及したい)ここを否定するつもりは全くないが、私は瀕死の弟に言う兄の発言としては非常に違和感を感じたのだ。それは意図されたものだとも感じた。
もちろんあそこでオビワンが「俺はお前を愛していた、お前の幸せだけをずっと願っていたのだ」とか、「罪を犯したお前でも俺は愛している、俺は全てを(ジェダイの教義をも)捨ててでもお前を守るから、戻ってこい」とか言って、命を助けるようだったら、こういう話にはならないわけだし、オビワンが模範的ジェダイならあれで当然と思うのだが、そこに感じるものがあったという意味でだ。(ルークは父を救うためにジェダイの命を捨てた。)
仮に今風に言い換えれば、オウムに落ちた若者に兄が別れ際に、「人の命を救う医者になるはずだったのに、人の命を奪うテロリストになるとは。」とか「正義を守る弁護士になるはずが、犯罪者になるとは。」と言ってるのと同じで、第3者から見れば、この際本人が選んだわけでもない社会的使命をわざわざこの場面で言うことないのに、言われてる本人も愛してるならそんな発言は意味がないと感じるだろうと。そういうことをもし親が発言したら、それを無償の愛とは子は感じないわけで、やっぱりそれでしか俺を認めてくれなかったんだと憎悪を向けるだろう。
「せっかく愛情をかけて育てたのに、こんな風に育ちやがって」と聞こえるから、アナキンは「アイヘイトユー」と返してしまうのかもしれない。
アナキンがもし「選ばれし者だったのに」というオビワンの言葉に反応したとするなら、アナキンがオビワンにパドメとのことを相談できなかった理由もここにありそうだ。
もし相談されたらオビワンは、弟の幸せだけを願う肉親なら、ジェダイをやめて普通の暮らしをすることを勧めるだろうが、そこに社会的な要因が入るからパドメとの関係を公認するはずもない。黙認はしても祝福するわけもなく、オビワンにとってアナキンは立派なジェダイであるかどうかが評価の基準なのである。
選ばれし者だから、フォースのバランスをもたらすだろうという評議会の期待はそのままオビワンの期待で、そうでなければオビワンを失望させることをアナキンはわかっている。
もちろんアナキンはパドメとの生活のためなら、遠慮無くオーダーを捨てただろうが、その前にパドメの死の予兆を感じ、死を回避する力を得るためにオーダーから出られなくなったわけだ。

アナキンにフォースにバランスをもたらす者としての使命を果たさせたのは、アナキンが選ばれし者かあるかそうではないかに全く関心なく、ただ自分の父親を「善」と信じる息子の一途な信頼だった。そこに利害は存在しない。

++++++++++++++++++++++++++++++++++
※ファウスト
老学者ファウストは限りある人生では研究を所詮極めることができないと絶望するがそこに悪魔が現れ、お前に「満足をやるから満足したら魂をくれ」とささやく。ファウストは自分が満足して死んでもいいと思った瞬間「時よ止まれ!お前は美しい」と合図し、悪魔にこの魂をやると約束する。彼はこの世のありとあらゆる欲望をかなえたのだが、けれど決して満足できずと常に次なる欲望がわき上がり不全感に苦しみ続けた。長い失意の時を経て、ある時他人のため社会のために自分を犠牲にし他者を幸福にすることに人生をかけた。それを達成する前に、彼は人生に満足を得て、悪魔に合図を送った。悪魔は彼の魂を回収しようとしたが、ファウストの行為は悪魔には理解できない高次元の「愛」だったため、かつてファウストが真摯に愛した女性が、(貪欲の囚われ満足できず捨ててしまい、狂死させた恋人)彼の魂を救いに来たのである。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

まだメイキング本周辺話題は続けたいと思います。
一応考察のつもりですが、思いつきなので後で熟慮の上、また推敲し直すかもしれないです。あしからず。
時間切れでアップ。
これから子供ぞろぞろ引き連れてガッシュ映画見に行きます。
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Comment

月ひつじ says... "最大の欠点。"
スイマセン、私的なことなのですが、

> 実は生物の細胞レベルで仕組まれたより原始的で自然な「愛」なのだ。愛もDNAの情報で、次世代のためなら自己を犠牲にするのは何も人間だけの特徴ではないのだという。

子供のいないぼくには、永遠にSWは理解できないのでは、と思ってしまいました。まだまだルークを救う前のダース・ベイダー状態なわけですね。。。
2005.08.13 21:50 | URL | #- [edit]
ふざけおに says... "SWと未来科学館恋愛物語展"
>>生物の細胞レベルで仕組まれたより原始的で自然な「愛」
あ、言われりゃこの引用は唐突ですよね。すみません。こういうところが現役でない証拠ですね(泣笑)自分の頭ではわかってるつもりでつい書いてしまいますが、他の方が読んだら根拠のない思いこみですよね(^^;
私がよくこの説を多用するのは明日15日までお台場の未来科学館で開催されている「恋愛物語展」の影響なんですよ。
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/event/2005/0815_plan_01.html
この科学館時々旦那につきあって行くんですが、理系の学生でも勉強になるこの手の展示としては最新レベルの内容です。文系の私には全然ちんぷんかんぷんですが、「医学」と「生物」だけは人文的要素との接点があるので、見入ってしまいました。どういう内容だったか、機会があったらアップしようとは思ってます。
またこれは来日時のルーカスの発言とかかわった内容に思えてならないのです。
「“ミディクロリアン”とは生命の創造を表すメタファーで抽象的なアイデアです。それは細胞分裂をするのに必要なミトコンドリアからヒントを得ました。生物が細胞分裂するには2つのDNAが必要で、両方が合わさって1つのものを作る、つまり片方のDNAだけでは新しい生命は生み出せないし、繁殖できません。要するに人間は1人では何も生み出せない、友人やパートナー、同僚といった人がいて、そういった周囲の人々と力を合わせて初めて世界は作り上げられていくということだと思います。」

これはミトコンドリアや葉緑体(植物)という別の単細胞生物を取り込んだ我々生物は、細胞レベルで他者と共存してるという論理ですよね。でも、、
>片方のDNAだけでは新しい生命は生み出せないし、繁殖できません。
これは?でした(笑)。単細胞生物は自分が単体で細胞分裂するので、、、。

>子供のいないぼくには、永遠にSWは理解できない
そんなことないと思いますよ~。私の文章がわかりにくいから、伝わらないだけで(汗汗)。
その人が経験していないシチュでも、その立場の気持ちを想像させるだけの、説得力がなあれば良いのですが、、、、。
swで言えば、母を知らず子供のいないオビワンであっても、ルークを通して存在そのものに感謝する肉親の愛を学べていると思われます。ルークはオビワンを真っ先に救っているのです。オビワンは仮にルークが恋愛してジェダイになる道を捨てたとして、ルークが幸せならそれでいいと思える境地にありそうな気がしますね。

児童向け作品(特に親子の関係を扱ったもの)の奥深さは、実は子供の目線で読むときと、親の目線で読む時とでは、見えてくるものが違い発見があります。例えば「次郎物語」や「母のない子と子のない母と」「しろばんば」を、親になってから読むと、子供の時はそれとなく想像していた程度の気持ちが、よりリアルな感情として感じられるってのはあります。
また若者の鋭利な感性は、それはそれでその年代の宝であり大事にして欲しいものです。

ちなみに私は卒論が宮沢賢治だったんですが、彼の作品にアプローチする際、「宗教」「科学」「詩歌」「童話」「音楽」等々それぞれの専門がそれぞれの得意分野で作品論を展開するので、面白かったです。私は特に理系の人でないとわからない表現の解釈が新鮮でした。
賢治は日蓮宗で宗教に生きた人ですが、それがわからなければ彼の作品がわからないとかといえばそうではないし、また法華経をわかってる人間が最も賢治の作品を理解しているかと言えばそうでもなく、お互いの読みとりを交換しあって、補完しあって融合して、これでもなくこれでもなくこれだって感じで的はずれな読みが削られ、作品理解がより精査されて行く感じが良いのです。
SWもそんな感じで、違う年代の人、違う興味の人の読みから理解が深まる点多々ありますよ。
2005.08.14 13:50 | URL | #- [edit]
ヤン says... "なかなか濃いですね"
ヤンです。TBありがとうございます。
いや、みなさん。なかなか濃いですね。勉強になります。

 私の勝手な想像なのですが、SWのシリーズを通してのジェダイって、どう考えても正義って印象を受けないんですよ。多分、過去には崇高な精神があって、目的も別な所(精神の高みを極めるとか、、)にあったんじゃないのかと思うのですが、数百年がたち、それが形だけ受け継がれ、しかも倒すべき相手が生じて、徐々に曲がってしまったんじゃないかと思います。文化が成熟して安定し、さらに終焉を迎えるときの堕落というのは、言い過ぎかもしれませんが、そんな印象を持っています。それに絶望したのがアナキンであり、それを正したのがルークなのでは、ないかと、、、勝手な憶測すいません。

それじゃ、また。
2005.08.17 01:06 | URL | #- [edit]
ふざけおに says... ">ヤン様へ"
きゃあ~vv、ヤン提督からコメント頂けるなんて、うれしくて舞い上がります。(バカ)
濃いですか。すみません。(汗)

>ジェダイって、どう考えても正義って印象を受けないんですよ
これ!これですよ。ヤン提督なら、絶対そういうと思ってましたーー!!(悶死)ヤン提督の目からはジェダイが地球教に、シスがゴールデンバウム王朝に、大司教がヨーダで皇帝がルドルフに見えるだろうな、どっちも最悪って感じで(←バカ、無視して結構です。すみません。ヤンウェンリー本当に好きなんでついつい。)
冗談抜きに銀河英雄伝説とSWの共通点があるとすれば、銀英伝は正義も悪も見方次第と描いてるようでも決して正義も悪も同じだではなく、「悪」とは正義を声高に唱える者が行う行為だと、描いてる点だと思いました。

>文化が成熟して安定し、さらに終焉を迎えるときの堕落
そういう話だと私も思います。民主主義が滅ぶのに手を貸すのは他でもない、ここにいる自分達なのだという警鐘でしょう。
私に政治背景を語るスキルはないのですが、、、、、
ジェダイの思想自体はフォースとの共存を謳った普遍的な善だと私は解釈してます。ただ、カウンシルを議決機関においたジェダイオーダーは、組織として維持するためにフォースの原理原則からズレて来て、組織の維持=権力の維持になってしまったから、シスのつけいる隙を作ってしまったのだと思いました。
だいたい、皇帝は平和なナブー出身でパドメの推薦で議長になり、パドメの代理のジャージャーの動議で非常時大権を握り、ヨーダはEP1、2までは議長と昵懇で、EP2ではシスが起こした内乱をシスの発注したクローンを使ってジェダイが戦い、EP3ではシスのマスター救出のためにジェダイが命をかけるという、、、もうジェダイは完全にシスに踊らされててめちゃくちゃですから。クローンは裏切ったのではなく、本来の任務を全うしてジェダイを殺したんですよね。
こうなると、一回シスを表面にあぶり出して裏工作をやめさせないと、シスの毒は宇宙から排せないのもうなづけます。用心深く全ての謀略を読み切るパルパティーンを倒すには、彼を完全に信用させた弟子が、彼の予想外の謀反を起こさないと、殺せないのもしょうがないでしょう。政治も法も完全に支配した独裁者を倒すには、銀河に他の対抗する政府もないし、信用を得た身内の裏切りでしか、葬れないですよね(笑)

だいたい皇帝は、ルドルフやヒトラーと同じで、民主主義の正当な手続きで生まれた民衆が選んだ為政者です。ヤンに言わせれば政治の腐敗とは、民衆が民主主義が堕落してる(悪い政治家が野放しになってる)のを看過する「政治への無関心」を言うのですな(ヤンは偉大だ!)。
アナキンは民意が選んだ為政者を、違法に暗殺しようとした危険な宗教団体を、時の政府の首長の命令に従って、クーデターから政府を守ったんです。民主主義が産んだ政府に忠誠を誓うなら、当然のことをしたんですよね。アナキンは一種の軍人です。命令とあらば子供さえも無差別に容赦なく殺せるのは、ベトナム戦争やイラク戦争と同じですよね。自分がやってる「正義」を検証しないから人道をはずれてしまうのが人間心理だそうですが。
アナキンは、ヒットラーを正義と信じるゲシュタポやベトナム戦争に志願する若者を想起させられます。サリン事件のオウムの若者も、226事件の青年将校も、理想があるから権力に利用されてしまうという、、、
アナキンを責めるのは簡単ですが、もしこの世界に自分が生きていたら、パルパティーンに強権を与えない、騙されない、なんてことができたかどうか。もしできないなら、ファシズムへの道を開き、アナキンが所属した組織を裏切ってでも守ろうとした時の政府の潜在的支持者ってことになりますよね(笑)
ただアナキンの場合、そこまで議長の思想に心酔してたわけでなく、パドメを救うという別の目的があった分、判断力は残っていて、議長は正義でないとどこかで気づいてるんです。じゃあ、俺がこいつを倒して、俺が銀河に秩序を取り戻そうという発想になってるんだと思いました。つい長々とすみません。
2005.08.17 21:55 | URL | #mQop/nM. [edit]
ヤン says... "む、やはり濃いですね"
ヤンです。レスありがとうございます。
SWも銀英伝も大好きなのですが、比較して見たことがありません。
おっしゃるとおり、似たような点はたくさんありますね。目からうろこです。

 確かに、アナキンの涙は、唐突な印象をもつ人も多そうですね。私も、すこしですけど、そう感じました。選んでしまった道は、正義の道ではないが、しかし、すでに引き返せない。道を突っ走っている時は、感じなかった心の空白が、命令を成し遂げて、一息ついた時に、一気に襲ってくる、、そう考えると、なんか、哀れですね。パドメとのやりとりも、引き返せない自分があるからであって、この時点では、もう、走り抜けるしかないんですね、悪の道と知っていても、、、

居間の方も、ちらっとですが、のぞきました。ロード・オブ・ザ・リングやハリーポッター。ガンダム系なんか、私も好きです。また、ゆっくり見させてください。

それじゃ、また。
2005.08.19 00:24 | URL | #- [edit]
ふざけおに says... ">ヤン様へ"
うーむ、やっぱり濃いですか?濃すぎて、皆さんにひかれちゃいますね(^^;。

>SWと銀英伝
好きなものをすぐリンクしてしまう悪い癖でして。。黄金樹王朝(独裁)は民主主義から生まれる、というあたりでちょっと引用しちゃいました。
アナキンがラインハルトでオビワンがヤンなら、宇宙は一旦立憲君主で安定し、一部に自由の芽を残すというラストでめでたしなのですが、、あの二人の英雄の域ほどには、アナキンもオビワンも世界を見る目を持ってないんですよね。

>アナキンの涙
私も何故ジェダイ聖堂でためらう描写がなく、ムスタファーで泣くのか、ちょっと考えてしまいました。多分全てのことを終えて、堕ちた自分を感じたからだろうとヤンさんと同じ捉え方をしています。一旦走り出したら価値観を完全に塗り替えないと、自分が悪になるわけにはいかなかったんだろうと。
その後メイキング本読んでブログにあげてみようと思ってたことなんですが、、
多分アナキンは、ジェダイ抹殺まではシスが正義でジェダイが悪だと信じていたが、ムスタファーでニーモディアンからシディアスが分離主義者を煽っていたことを聞き、シディアスにまんまと騙されたことに気づいたポイントになってるのではないかと。あそこで泣いたのは、騙されたことへの悔恨と憎悪、やってしまったことへの罪悪感の涙で、だからその後「皇帝を倒し、僕が宇宙に安定と秩序をもたらす」と一見狂ったこと言い出したのではないかと。「こうなったらシスもジェダイもいらない、自分が宇宙を正してみせる!」と。
違うかもしれないです。

>居間の方
ありがとうございます。好きなものがかぶってるとうれしいですね。そちらにもまた伺います。
2005.08.19 18:34 | URL | #- [edit]

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