ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

「アビエイター」DVD鑑賞日記★★★★

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

偉大さと狂気は紙一重。
強迫観念と誇大妄想は、人智を凌駕し神の領域に迫る芸術や発明の母。
常人外れた知力と疲れを知らぬタフな精神力と強固な肉体に恵まれた者は、常人外れた行動力で次々と成功をものにする。
しかし、休むことをしない猛烈な精神活動に、脳は異常信号で警告するのだ。

普通の人はもっとバランスがいい。だがそれは普通の人だから。
ハワード・ヒューズは普通でない。極端である。
けれど偉大な事業をなす人というのは、何かに取り憑かれたように常人の判断や思考ロジックを超越し、猛烈に突き進むことで未知なる世界を開拓するのだろう。
誰も彼の非凡な能力に追いつかない。
この世で彼を押し止めるものは唯一、不合理な不安。
凡人にとっての不合理を合理に変えるたぐいまれな才気は、目の前の不合理に隷属し、繰り返す強迫行為を彼に強いるのである。

********************************
強迫観念や誇大妄想を持つ者が偉大な功績を残すというのは、IQの高い芸術家や発明家にはよくある。
思いついたことを次から次へと実行し、数多くの事を一気に処理できるので、人並外れた仕事量を短期間にこなし恋にも溺れる。停滞を恐れ、常に何かに追われるように活動することで不安を解消しているのだ。
けれどどうしてもコントロールできない不潔恐怖がヒューズを苦しめる。。
実はその強迫行為が、エネルギッシュに活動しすぎる彼の脳のリミッターで、取り憑かれたように何かに没頭しすぎる彼の肉体の悲鳴なのかもしれない。
皮肉なことに強迫観念に苦しんでいる時、彼の肉体は彼が熱中する事業構想からやっと解放されるのである。
******************************

「アビエイター」はアカデミー賞候補だったが作品賞は逃したという程度しか、この映画について全く予備知識なく見ました。非常に面白かったです。
レオナルド・ディカプリオが好きで見た「ギャングオブニューヨーク」はテーマは興味ありましたが、暴力描写でダメで外れだったんですが、これは見事当たり映画でした。こういう映画に私は全く飽きを感じない方ですね。
もっとも★5をつけたスピルバーグの「ターミナル」や「イフユーキャッチミーユキャン」のようなヒューマニズムや家族の愛といった派手な感動やカタルシスはないし、予想していた破滅も成功もなく不条理も爽快感もない、娯楽性に欠けるので★4ですが、ある種類の人間の陰影を象徴的に描き出している文芸性の高い作品だと思いました。
この作品を通し、ポテンシャルは高いが個性が突出していて人間的にバランスの悪い人物の生き様を見ることで、「普通であること」「変わっていること」のそれぞれ功罪を考えさせられるからです。

時代は第2次大戦中のようで、雰囲気はフランシス・コッポラの「コットンクラブ」やルーカスのインディジョーンズ「魔宮の神殿」あたりを想起させられる映像が懐かしかったです。
最初、この映画が史実に絡めたフィクションなのかそれともハワード・ヒューズが実在の人物なのかどうかも知らずに見たのですが、途中でこれは実在の人物だろうとわかりました。もちろん史実に忠実であるかどうか全然検証する術がないのでうかつに評価できないですが、少なくともこの映画で描かれているこの人物には「こういう人は確かにいる」というリアリティを感じたんです。
こういうクレージーなまでに極端な人でないとなしえないことがあるんです。偏執的なこだわりを持ち、思考速度と情報量が常人の域を超えてる人。
そういう人が成功するには、周囲がその極端な発想を容認して彼についていけるかどうか、その異常さを彼の個性と愛せるかどうかだと思うのですが、彼は幸いにも彼を守ってくれる周囲に恵まれています。
だから彼が発病しても、それが原因で社会生活が破綻するまでには至らず、正常な世界に戻れるのです。

ところで、強い個性を主張することが評価される米国と違い、「出る釘は打たれる」式に調和を重んじる日本ではなかなかこの才能が開花するのは難しそうですが、、、、どうなんでしょう。
私自身どっちかというとバランスが悪くつい何かに常軌を逸して没頭してしまうタイプなので身につまされる部分もありますね(^^;。

終わってみるとどうでもいいですんけど、、、、最初の「地獄の天使」インタビューの噛み合ってないやりとりの時から終わりまで気になってたのこと。結局難聴は心理的要因で起きるのか、それとも難聴が原因で不安や妄想を生じ易いのか、どっちなんでしょうね。多分前者だと思いますが。

関連記事
スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://fuzakeoni.blog3.fc2.com/tb.php/182-c37e41b9