ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

「20世紀少年~最終章」感想 ★★★★☆

Posted by ふざけおに on   2 comments   3 trackback

うん、面白かったです。
ミスリードにひっかかってしまった部分もありましたが、話がどんどん妙ちくりんになっていくので、これは多分そうだろうと。それしかないだろうと。

、、、、という予想は当たってた、くらいではないにしても、かすってはいました(^^)。
だって、そうでないとこの物語あまりにリアリティないと思いましたもん(笑)。
20世紀の少年達の光と影、ヒーローのような正義感と、一方で自分の不正を見ようとしない脆弱さ(たとえばいじめを黙認してしまうような)を象徴していて、なかなか心憎い映画でした。
てっきり人間の心の闇をえぐるように描いたサイコミステリーか、ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」のように苦い不条理を描いた作品かな?と予想し構えてましたが、そうではなく、懐かしくも古き良き昭和を象徴する善良な少年を、優しく包み込むような、良い物語だと思います。

以下ネタバレありです。映画未見の方は、読まないが吉です。+++++++

「この話、全然、リアリティねえ。」とケンヂが言った時、

思わず声出して笑ってしまいました。ホント、リアリティない、嘘くさい話なんだもん(笑)。
第1部の世界破滅までは緊迫感あったものの、第2部以降、ここまであまりの物語の陳腐さに、感情移入のしどころがなくて、いい加減げんなりしてましたから(^^;。
もし、この映画が本当にこういう物語だとするなら、私、漫画の世界に入り込むスキルがもうないんだろうかと、自分がとってもイヤになるくらいでした(笑)
ただ、この支離滅裂な世界破滅物語、救世主物語を、絶対怪しいと疑ってたんで、求めていた真実にたどり着きたくて、どんなに途中ダレても、意地でも映画館で結末見ないとなって。

私は1作目の中盤から、これは主人公の「心の旅」だ予想していたんです。それが合ってるかどうかが気になって、最後まで見ないと気が済まないと思ってたわけです。
そしたら、エンドロール後15分あると事前に告知があったので、ああさては一端ケンヂが正義のヒーローで勝利して終わった後、どんでん返しがあるんだろうな、とだいたい予想できました。
ただ私の予想はもっとおどろおどろしく、主人公自身が驚愕するような、最悪精神崩壊オチを予想してたんです。でも、実際にはとっても地味で心温まる落とし方が、大人の誰もが心に閉まっておいた「20世紀」の優しいセピア色の思い出のようで、とっても良かったです。

最後の15分が、まさにリアルな作品世界なのでした。

てっきり私はケンヂ自身が人格スプリットしてるのが、「トモダチ」なんだと予想したのです。
というのも、1作目の彼の記憶の曖昧さから、何らかの抑圧で記憶を封印しているように思えたから。つまり主人公は、ジキルとハイドのように、自覚ないまま闇ケンヂ(黒ケンヂ)が出現してるのでは?と思ったのです。その時々で、仮面をかぶってる人物は違っても、その中に黒ケンヂもいるだろうと。
でもそれは外れてました(汗笑)。

トモダチは実在します。
でもその子は、みんなに空気のように無視された少年です。みんなの記憶から消し去られ、死んだ扱いにされていた子です。確か1作目で、フナの解剖の前日に死んだと言われてた子で、実はその後も実在しているのに、みんな偽りの記憶を共有していたわけです。
(80年代にクラスで葬式ごっこされた少年の自殺事件を彷彿させられます。)
そして、その子がいじめられるきっかけは、万引きを疑われた事件からなのですが、万引きの真犯人は、実はケンヂだったのです。
ケンヂはその自分の過ちを、忘れたようにしていますが、深層では強い罪悪感を抱えたまま成長して行くため、世界はいびつになって行くのです。

ここからは私の捉え方ですが、、、、
多分、彼はその罪の意識から、ああいう漫画のような世界を脳内物語として構築していったと思われます。
「20世紀少年」は、脳内世界だと思うのです。もちろんあの時点では、ケンヂの脳内世界が現実なのです。ある意味ケンヂ君の考える世界だから、稚拙なSF漫画の世界になってて、自分で作った話だから、ケンヂ自身がなんてリアリティないんだ?!と言っちゃうんですが(笑)、それがまたユーモラスなのです。
もちろんケンヂのまっすぐな正義感に嘘偽りはなく、それだけに心に秘めた小さな罪悪感が、世界の不条理を生み出していくわけです。
しかし彼の生み出した世界の最後、彼の理想のヒーローケンヂが、彼の隠したかった過去の汚点に勇気を持って向き合います。想像した未来の自分が、過去の自分を叱咤し励ますのです。
過去の少年時代の自分は、未来の英雄の自分に背中を押され、万引きしたことを正直に店の人に謝ります。やがて中学生になった二人に、未来のケンヂがまた働きかけます。
いじめられ、自らの存在意義に絶望する少年と、ケンヂはごく自然に「ともだち」になることができたのです。未来の世界で、熱狂する観衆の前で英雄が歌ったスーダラの歌は、二人の記憶の中で小さな友情の証になります。少年に初めて「友達」が出来たのです。
その瞬間、過去が現在になり、未来は虚構に変わります。
「20世紀少年」の世界、狂ったトモダチが世界を破壊し、ヒーローが世界を救う未来の物語は、彼らが将来描くであろう、SF漫画の世界になったのです。
現実の「20世紀少年」は、自分の過ちを素直に認め、友達のいない孤独な少年を救う、善良で心優しい等身大のヒーローです。

友達意識をネガティブに描く作品と見せて、やっぱり友達は大事よねって、孤独な子をほっておけないよねって、優しさに溢れた満ち足りた気持ちで映画館を出ることができました。
唐突とも思える幕切れですが、後味の悪さは全然ないです。
終わってみて、これは良い映画だったと思える、映画でした(^^)。

神木君がかわいいので、余計ふんわか。vv(ってトモダチ役、神木君だよね?)





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Comment

Reiko says... ""
ヒプノセラピストをしているので20世紀少年はケンヂの潜在意識を描いてるんだと思っていましたが似た意見の方に出会えなかったので感激してます。

浦沢作品がそんな単純ではないと思っていたので モンスターの『最後の場所』に続き、この潜在意識の世界をリアルな感じに描いた彼の視点は素晴らしいと思いました。

勝手に色々感想を書いてすいませんでした(^^)
2013.08.10 20:22 | URL | #- [edit]
ふざけおに says... "Re: タイトルなし"
Reiko様コメントありがとうございます。

> ヒプノセラピストをしているので20世紀少年はケンヂの潜在意識を描いてるんだと思っていましたが似た意見の方に出会えなかったので感激してます。

似た感想の方にあえて私もうれしいです。セラピストの方なのですね@@;私は心理学の専門家ではない上原作知らないのですが、映画だけで判断するならそうとしかあの不条理な世界の説明が付かないって思えたんです。実際原作より、腑に落ちる結末だったという意見は見たことあります。
2013.08.16 14:15 | URL | #- [edit]

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