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趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

ガンダムエース9月号過去から未来への歴史的対話「富野由悠季安彦良和対談」感想 Part6

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

6子供目線がコモンセンス

2003年に「世界と日本のアニメーションベスト150」というランキング解説本を購入しました。その本はアニメ業界に携わった著名な選者達が、商業アニメから芸術アニメまで幅広くセレクトした資料性の高い高尚な本です。
興味深く読んだし、勉強にもなったのですが、その中で私が少し違和感を覚えたのは、富野監督と高畑監督が気のせいか、ハブられてるような印象があったからでした(笑)。率直に言って、「機動戦士ガンダム」と「火垂るの墓」のレビューが的はずれに思えたからなのですが。「火垂るの墓」は「引きこもり」を描いた作品で、ガンダムは(表面的かっこよさに惹かれる)「オタク」の走りみたいに言われてました・・・(ガンダムブームは普通の中高生が生み出したものです)
なんかこの二者の扱いは、富野「ガンダム」と高畑「火垂る」はある種のイデオロギーの色合いを強く連想させられるのが、評価が低い理由でないかと漠然と連想した記憶があります。単に選者の方が同業者として感性が合わないだけで敬遠されている監督さん達なのかもしれない(それも気のせいかも知れないですが)のですが、ズバリ、私はガンダムは好戦反共右と親和性が高く、高畑作品は反戦反日左と親和性が高い、右も左も行き着くところはカルトというバイアスでは?と一瞬脳裏をよぎったものです。私の考えすぎでしょうけれど。
このガンダムエースの対談では、実際には富野氏は反戦でも軍国主義でもない、右にも左にもブレない、強い覚悟で、ガンダムの制作に当たったことを強調しています。私はその矜持を心強いものに感じました。

安彦氏が、「村上春樹の『1Q84』へのガンダムの影響があること」を指摘し、ガンダムは「本来のサブカルのエリアをなぜ超えたのか」という問いを投げかけます。富野氏は明解に、
その回答は簡単。コモンセンスで作ったから。」と答えています。
富野氏は、
右翼でも左翼でもなくニュートラルを貫いた」「朝鮮戦争までの戦争の図式に則って、それを反戦でも軍国主義もなく、ただひたすらニュートラルを意識して戦争を描いた。」「子供が見るかも知れないんだから、絶対右にも左にもぶれないという覚悟を持った」と。


また、最近の毎日新聞のインタビューでも、
当時、アニメ映画「宇宙戦艦ヤマト」のブームが続いていた>
「ヤマト」に対して「ミリタリー趣味へのあこがれ」という嫌悪感が僕にはあった。それで「ガンダム」を勧善懲悪にできなくなった。戦いのシーンを除けば、1本の映画になるくらいのドラマを盛り込んだつもり。戦場や軍隊を扱っているけど、物語は右翼でも左翼でもないニュートラル
。」
ニュートラルさがガンダムが広く人々に受け入れられる理由だと語り、
極限状況に置かれた少年たちの成長をテーマにしている」「青春群像劇という狙いに反響があったことが作り手の喜びとしても大きかった」と述べられております。

私が女子学生の頃、みんなが夢中になっていたガンダムとはまさにそれが魅力の作品でした。
別に映像作品にかっこいい軍人が登場しても、それが物語上自然であれば抵抗なく感情移入してました。また当時の少年達が戦艦ヤマトや零戦に憧れるのも自然なことで(カイシデンは紫電改だし^^;)、のらくろからケロロ軍曹まで軍隊漫画に面白さを見いだすのも、過剰に警戒することでないと個人的には思っています。
ただ、ガンダムはヤマト以上にミリタリーオタクを惹き付ける作品であるのも確かで、それも一つの大きな魅力でガンダムのコンテンツを強固に支えているのには違いないのですが、かつての普通の少年少女達が見いだした青春群像、キャラクターの魅力(クールな美青年シャアと妹セイラ姫の数奇な運命とか)との両輪が時代の篩に残るスタンダードな作品になっていると言えるのかもしれません。


にしても、では一体、宮崎アニメはコモンセンスなのかそうではないのか、世界的にポピュラーなルーカスやスピルバーグの映画はコモンセンスなのかそうでないのか。。。
富野氏の物差しではどうかわかりませんが、私は多分それらもコモンセンスだろうと思うわけです。もちろん普通に善良な軍人も登場するし、かっこいい兵器も登場するし、バトルもあります。

私から見て、右だと感じるママ友さんも、軍人の描き方にリアリティがあるのがファーストガンダムの魅力だと胸ときめかせつつ、普通に宮崎アニメを子供と楽しんでおられます、、、、、「自分の愛する街や愛する国が世界にとって良くないものになるという可能性をいつも持っている」という宮崎氏は彼女にとっては左でしょう。
でも持ってる価値観に違いがあっても、一緒に語れる面白さがあれば、お互い共存できる程度の拘りです。 彼女の拘りは軍人=悪という一面的描写は不自然だというところにあって、それは私もそうだと思うわけです。
だいたい戦場にある軍人こそ文芸における人間性の描きどころで、「戦場のピアニスト」では人間性を発露したナチス将校が登場したり、人間の条件の主人公も野火(徴兵だけど)の主人公も、八甲田山死の雪中行軍だって様々な人間模様があって・・・
その描写に対する受け取り方がニュートラルかどうかは別として、要は送り手の思想の押しつけや右翼のプロパガンダでなく、テーマに普遍性があればいいのでしょう。
という一般論で語っても、所詮、それも受け止める側の主観にゆだねられてるわけです。

なんと言っても富野氏のコモンセンスという相対的感覚を裏打ちする決定打は、「子どもが見ている」ことを想像し子どもの目線に真摯に向き合って作品を描いているかどうかという姿勢ででしょう。

「キングゲイナー」

は、非常に発想が前衛的でユニークで万人向けの娯楽作品でした。
この作品で、私が注目したのはアナ姫様のこましゃくれた子どもらしさでした。プリンセスの気品と愛らしさに溢れた利口な子どもです。決して2次元ファンタジーの女の子ではないです。
アナ姫を見た時、悪いけどSEEDや00で、あれだけ生き生きとした子供は、(描かないのではなく)描けないだろうと思いました。子どもの目線を意識していない、若者目線だけの作品は、ある種の先鋭化した思想や視界の狭窄を助長してしまい、富野氏の拘る「生活感」が希薄になる要素は潜んでいるように思われます。
若者と幼児と大人が共にいる光景を、世代間交流を今のアニメで描けるクリエーターは果たして、現在どの位いるのでしょう?

キンゲのアナ姫のマスコット、ミンクのリンクス達の動きは印象的です。
イデオンではデクのリス、ガンダムではキッカ達とハロ、、、富野作品に登場する子どもとマスコットの存在は、受け手が映像に投影する偏向を、綺麗にフラットにしてくれるブレ補正にも思えます。
そのルーツは、マルコとアメデオなのかもしれません
高畑氏が子どもに向けて作品を描くのに、台詞をかみ砕いたりしないという姿勢を学んだと富野氏は対談で語ってますが、子どもの理解力を信じ、子どもに嘘をつかず真摯に真実を描いていれば、自ずとニュートラルなコモンセンスは体現できると、富野氏を胸を張るのでしょう(^^)。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
うまくまとめられないまま、この章は降参気味でアップ。明日、エヴァ映画見に行くと決めたので(ドキドキ)、これはもう今日中にアップしないどうもすっきりしないです。
最後の章は、富野氏と安彦氏の語るアニメ界についての対談感想になる予定です。。
戦争と平和

先日、前の家を片づけてたら、うわ、こんな本が重なって出てきました@@;。なんか恥ずかしいです。確かに同時期にさらっと読んだ記憶ありますが、内容はほとんど記憶ありません。サブカルで、思想を語るつもりは毛頭ないのですが、なんかその時は興味あったのだと思います。
富野氏の対談集、そのうち読みたいです(^^)。

ちなみに試しに一切のサブカルに無縁の主人(※)に、ガンダムって、右とか左とかのイメージある?それとも全然ない?と尋ねると、「そりゃあ右だろ!」と即答。
じゃあ、SW(ルーカス)は?スピルバーグは?「指輪物語」は?
「他はどうかわからないけど、何となくSWとガンダムはマニアックだから、作ってる側の意図はともかく、見てるのは右が多そうだな。ああいう戦闘があるものは、たいがい好戦的なマニアが喜びそうだ」(←偏見ですね^^;)
「じゃあ、一緒に子供達と見たキングゲイナーは?」
(主人には、映画「逆襲のシャア」とキングゲイナーに付き合わせたのですが、「逆シャア」はわけわからんと爆睡、でもキンゲは子供と手叩いて大喜びで見てました。)
「ああ~、あれは、変わった(=斬新な)発想のわけわかんない(=面白い)話だったな。確かに髪の毛生えたロボットじゃ、右も左もなさそうだな。」と笑ってました。
ほとんどサブカル知らない主人には、その程度のイメージなんだと思います。
他の多くのアニメ作品と比較しても、富野作品が好戦的と思われてそうなのがシャクなので、この際庵野氏が実写キューティハニーをやったみたいに、ラ・セーヌの星の少女アニメやラスカルやアンのような名作もやれる実に守備範囲が広い人だということを世間にもっと認知させたいと思ってしまう私なのでした。
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