ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

スポンサーサイト

Posted by ふざけおに on

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

続「思い出は回転木馬のように」~超自我のダークファンタジー

Posted by ふざけおに on   2 comments   1 trackback

細坪氏は、アクもクセもないフラットな歌い方するので私は好きなのですが、曲作りでもどの系統の曲もソツなく仕上がってる気がします(歌唱力があるので何を歌ってもそれらしく洗練されて聞こえてしまうってのもあるのでしょう。)ソツない分、逆に聴いただけでこれは細坪基佳だという強烈なオリジナリティを感じさせない曲が多いように思えます。あくまで私見ですが。※1

でも実はこれは細坪基佳にしか書けない曲と思われる卓越したオリジナリティを発揮してるカテゴリーがあって※2、それはダークファンタジー&ヰタ・セクスアリス系にカテゴライズされる曲群です。最もそのエッセンスが凝縮されているのは、『木精』B面の3連曲で、個人的にとても思い入れが深いので改めてレビューを書こうと思いますが、それ以外では「白い霧」「青空」「失墜天使」「ミスターグッドバーを探して」「陽炎」あたりでしょうか。当時流行した他のアーティストでは聴かない曲傾向と私は記憶していて、異彩を放っていました。

それらの曲の、破滅的で退廃的で、どこかに抑圧された自我の一端が鋭利に突き刺さるような鮮烈な痛みを感じ、私は今も好きです。何の危険もない白紙を無防備に触ったら、紙の先端が指をかすめて血が滲むあの戸惑いに似て。輝かしい陽光に背を向ける傷ついた無垢な魂は、シュールリアリズムの美しくも陰惨な絵画のようで、それは私自身の思春期の心の陰影を映し出してくれてるようでした。
ひょっとするとそれは私の中の、「鈍く光るナイフを手にした」と歌う浜田省吾の攻撃性と同種のものかもしれないのですが、でも私には何故か浜省の現実的描写の方がピンと来なかったです。実写よりファンタジーに真実を見いだす私の性分で、少女漫画が好きで、現実の男女の恋愛にはさほど興味が向いてないオタクだからなのかもしれません。

でも細坪氏を好きな方の多くは、ファンタジーというより普通に写実的ラブソングを求めているのでしょうから、私の嗜好はここでもやっぱりマイノリティでしょう。
嗜好は人それぞれだからしょうがないのですが、そもそも芸術とは、人の心の陰影をそのままではなく加工して表現することでであり、写真と絵のどちらがより現実的かはさして重要でなく、いかに見る側に感動を与えるかであって、演奏も演劇も演じること自体が芸術で、虚構の中にこそ真実が描き出されていることに思い及びます。
現在最もカラオケで歌われている人気曲がエヴァンゲリオンの「残酷な天使のテーゼ」※3であることや、後のロードオブザリングを始めとするファンタジー映画ブームを思えば、氏のファンタジー系が世に理解されるにはまだ早すぎたのかもしれません。

この手のファンタジー系は、「洋燈とガラス玉」以降は作られてはなさそうですし、あまりお歌いにもなられておられないようです。「青空」「陽炎」を歌われている06年のライブ盤では、ご自身が「斜に構えている」と評しているように、現在の心境とは解離したものなのでしょう。

円熟とは自我の統合であり安寧の獲得であり、同時に瑞々しくも危うい感性の喪失でもあるのかもしれません。
人生とは喪失と獲得の連続である。
38年に渡るふきのとうと細坪基佳氏の膨大な曲を聴きながら、歌の中に喪失した感性も獲得した人生観も、過ぎた日の心情も、まるで今この瞬間のように息づいていることを感慨深く思うのです。
歌われているシーンの一コマ一コマが、私自身の人生とどこか重なり合ってるような気がして、時に青い未成熟な感性を懐かしむのでした。


※1例えば典型的な例として印象あるのは、「或る朝・・・」すごく好きでしたが、なんか既視感(既聴感)あって、グレープ風(チューリップ風?)なんだけどふきのとうの曲なんだ~みたいな。なんかどこかで聴いたことのある、(「標のない旅」とか「見えない糸で結ばれている」とか)似たような歌詞、フレーズ、情景が織り込まれていて、それはそれで更なる鑑賞の広がりとなり味わいを深めてくれるので悪くないです。

※2「思い出は回転木馬のように」の記事の中で、ふきのとう解散後の細坪さんの曲を6系統にカテゴライズしましたが、それ以外のふきのとう時代の曲はふきのとうラブソング系というカテゴリーでだいたい私の中ではくくれてしまいます。
そのカテゴライズからはみ出す「青空」のような曲群が7系になります。ダークというほど、陰惨ではないですが、予定調和した明るいファンタジーとは異質だという意味で、ダーク系というカテゴリーになってます。ふきのとうラブソングは8系ではなく、0系の位置ですね。

※3「残酷な天使のテーゼ」を聴いて、「失墜天使」を連想したのは、多分この世で私だけでしょう^^;。(「失墜天使」と言えば、NHKみんなの歌「勇気ひとつを共にして」を少しだけ連想させられますが、ベクトルは真逆です。あの歌哀切深い良い歌でずっと心に残ってますが、勇気という美談より、無謀な挑戦で命落とす人の愚かしさの教訓じゃないのかとw。)

関連記事
スポンサーサイト

Comment

電車男。 says... "新幹線男。"
勿論ファンタジーは大好きですよ。
2012.10.13 00:54 | URL | #OuhjEbD6 [edit]
ふざけおに says... "Re: 新幹線男。"
> 勿論ファンタジーは大好きですよ。
コメントありがとうございます。
2012.10.15 22:03 | URL | #- [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://fuzakeoni.blog3.fc2.com/tb.php/632-c5d5aa40
-
管理人の承認後に表示されます
2012.06.25 06:05 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。