ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

Autumn Morning

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

暑かった夏は永久に終わりそうにないと思ってましたが、やはり季節は巡り、秋らしい日々が続いています。こんな日は細坪さんのソロアルバム「Autumn Morning」を聴いて、感傷的気分に浸ってます。
このアルバムは、「IN YAON」や「DEAR OLD FRIEND」「思い出は風の中」やネイチャーのライブ盤を聴いた後だったので、ちょっとそれらのアルバムとは味わい違って、しっとりとバラードに酔える感じが印象深く気に入っています。
発表された時期は2001年?、10年前でしょうか。
少年期青年期の心情を歌ったふきのとうのバラードとも違って、悲哀に満ちた過去をわずかに振り返り、けれどまた向き直って逆風を正面に受けながら前へと歩む壮年期の渋い魅力を感じさせる曲群です。往年のロマンス映画のようでもあり、今の円熟の域のちょっと手前の、哀愁漂う雰囲気は味わい深いです。
もともと細坪さんのバラードが好きですし、作詞、あるいは作曲を他の方に依頼している曲も多いせいか、特定の色彩に偏ることない、良い意味でフラットでキャパの広い音楽を堪能できる感じが良いなあと。

今年私が見た範囲では、細坪さんはコンサートでこのアルバムからは選曲されてないように思われたのです
が、先日の秋の仙台で「Autmun Morning」を情感豊かに歌われていて、うっとり聞き惚れてしまいました。
もの憂げな10月本日、細坪さんの60回目のお誕生日ということで、メモリアルのこの日にアルバム感想でも徒然に。

1BLUE
細坪氏の官能ムード系代表曲と思われます。作詞山梨鐐平氏。うっとりするような愛の一夜を、みずみずしく歌われています。この曲をもし違う方が歌ったらもっと淫靡な感じがしそうですが、氏のフィルターを通すと、生々しさも美しい観念的光景へと変換される不思議。良い意味で生身を感じさせないのが、氏のヴォーカルの魅力です。

2雪が解ける頃に
途切れた愛を追想する時、深い悔恨と愛の再起を願う絶ちがたい思慕。
「君の輝きを守れなくて、君を奪っておきながら」
哀切深い曲調にあっても、扇情的な表現に野性味を感じる曲です。

3Cold Rain
雨の歌。雨は悲恋の象徴のようです。愛は全て幻。不確かな愛を不変と信じる人の心の儚さ。愛し合う二人の中に一雨ごとに冷たさを増す秋雨は沈鬱で、聴く者の心に染み込んで参ります。

4さよならだけは言いたくなかった
作曲は杉田二郎さん。杉田氏とのデュエットも味わいがあります。
「さよならだけは言いたくなかった」というそれ自体が男のわがままなのでしょう。けれどそれを憎めず、かわいいと思えるから、女はそれを許容してしまう。
さらりとした明るいフォークソング調が余計切なくて、オーソドックスなシチェーションにノスタルジーを誘う曲です。

5ともしび
愛する人に巡り会えた喜び。それがともしび。
失う愛もあれば、新たに出会う愛もあって、進行形のラブソング。
けれど若い頃の情熱的恋愛と違い、大人の恋は互いに傷ついた者同士の求め合いのようで、喜びの中にも悲哀の陰を感じてしまいます。

6Against the wind
今は別々の道を歩む、かつての友人への率直なメッセージ。傷つけ合った日々に胸を痛めることはあっても、この選択に後悔はないと。逆風に向かって歩みを進める氏の前向きな姿勢と等身大な素直な思いを感じさせられる曲で、とても気に入っています。

7街の灯
ムード系ラブソング。新しい恋を求めて去って行く女性。愛がからっぽになる前に別れに応じる男性の優しさが切ない曲です。
「さよならだけは~」が男のわがまままなら、この曲は移り気な女心を感じて、気のせいかのコインの裏表のよう。
雪が解ける頃は愛の再生を願う追う側の愛、Cold Rainは愛し合っていながらもそれが幻想だと知る哀しみ、ともしびは夢見る頃を過ぎた出会いの戸惑いと喜びを感じさせ、改めて恋愛模様は男と女の数だけ多様なものだと知るのでした。

8Genesis
悠久の時にあって、人は今という一瞬を生きる。散り散りに旅立つ魂は約束の地へと。
「君の裡にある」と結ばれる、それは一体何を暗示するのでしょうか。
都留教博 氏作曲細坪氏作詞のファンタジー系。最初聴いた時は曲調が違うので、作詞作曲とも細坪氏ではないのではないかと思いました。ソロになってからのラブソングメッセージソングにはない、異彩を放つ幻想的世界を感じるからです。
凡庸な日常を脱し、氏の内にある無限の宇宙・世界観に引き込まれ、少女期に木精を聴いたあの感動に似て、魂が浄化される感じがします。またあの頃にはなかった人生の深淵を知る大人の描く幻想的世界は、生も死も内包する宇宙の起源に思い及ばせ、神秘的感動を得るのでした。
RPG音楽っぽさも好みなので、解散後ソロ曲で今一番好きな曲です。

9. Autumn Morning
愛の賛歌。
その喜びを、その神秘を、その信実を、限りない大きさを深さを、そして出会いの瞬間のような初々しさを、余すことなく優しく伸びやかに歌い上げられています。愛する人と共に老いていく人生が、かけがえなく尊いものに思えて幸福を感じさせられます。
刹那的恋と違い、愛は長い時を経て穏やかに醸成されていくものと語る氏。
これまでも比肩する者ない程「純愛」を堂々と熱唱されてきた氏ですが、Autumn Morningはピアニスト中村由利子さん作曲の美しい旋律に乗って、聴く者に愛の普遍性を語りかける名曲です。


10. She’s a pretty sun(君は僕の友達)
細坪氏はソロになってから、直接ファンに向けていると思われる曲を何曲か作られているようです。私の知っている若い時の氏は、黄色い歓声を上げる目の前のファンと向き合ってる感じはなく、どこか現実と距離感があって淡泊な印象でした。当時の氏はどこか遠くを、あるいは自身の内面を、熱心に見つめている感じがして、私はそれを魅力と感じたものです。そのせいか30年の空白を経て、このタイプの曲を聴いた当初は、氏のイメージから想像出来なくて、とても違和感ありました。
私が知らない長い時の流れの中で、いつのまにかその視線はまっすぐ目の前の観客に向けられていたようです。ひとたび氏の見つめる視線上の対象となると、そのエネルギーの大きさ、情の深さ、誠実さに驚嘆させられます。「燃えるその心に照れながら」、ファンは長い時を共有して来た喜びを分かち合い、共に迎える未来を夢見るのでしょう。

氏の60回目のお誕生日、心よりお祝い申し上げます。

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