ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

永井龍雲さん仙台LIVE2013  Part3 ~「桜桃忌、想い乱れて」に寄せて~

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

○桜桃忌に寄せて
コンサートに行く前数日間「桜桃忌」聴き直しました。
哀切深い曲調と悲嘆を込めた歌声が胸に迫ってくるのですが・・・・
若い頃と違い、何か歌詞に違和感を感じました。
以前、太宰の「桜桃忌」という記事にも書きましたが、この曲の主題は <自ら命を絶った青年への思慕>だと思ってました。
詞の中に自殺を伺わせる直接表現がなくても「あなた」は太宰に傾倒していて、「若い過ち」という表現からして、病死事故死ではないと類推したわけで、そこは今でもそんなに外れてないと思うんです。
ただ歌詞としておかしいのは、「あなたは他の誰よりも私を愛してくれた」というフレーズの方です。「あなた」がもしそんなに「私」を愛していたなら、彼は自殺したりしないでしょう。(借金苦とか病苦という他の原因でなく、純粋な若さ故の過ちというなら、です。)
作りものっぽい歌詞に思える自分の感性の老いに脱力しつつ、一方でこれが全部嘘にしては当時のこの歌唱、この気持ちの入れこみ具合は尋常ではないように聞こえ、歌ってる本人にとっては何か真実があるのか・・・、単に私の深読みなのか、好きな曲だけにあれこれ逡巡、、もやっと感・・・・

けれど、ルリカケスを初めとするいくつかの曲や、CDのご本人の解説読んでるうちに、違う解釈に至り、今また違う感動に心打たれています。

私の勝手な思い込みかもしれませんが、時に視点を変えると、だまし絵のように違う光景に見えてくる気がして・・・・偉そうにすみませんm(__)m

思うに、この曲の<あなた>は二人いるんです。
召された魂は一つでも、死者は二人なのです。
誰よりも私を愛してくれた<あなた>と、あなたと殉死したあなたの息子と。
元は母子一つだった魂が死によって分断された時、<あなた>と一緒に「」という<あなた>の一部も死んだということでしょう。。
あなた>は「」の母で、太宰に傾倒するその子=「」は若さ故の過ちで後追いしたんです。
虚構の中で。

なるほど。そりゃあ「あなたは他の誰よりも私を愛してくれた」でしょう。
逝くと知っていたなら、あんなにも母の愛に甘えず」に、もっと早く自立しようとしたでしょう。

傾いた青春に眩しい夏の日差し 思い切り駆け出したいけど 頼りなく後ずさり
世界中の若者が輝かしい青春を謳歌しているのに、自分を守ってくれた最愛の母を亡くした彼には居場所がなかったんでしょう。

健気にも彼は、亡き母の後を追いたがる少年の女々しさや青さを誰にも悟られたくなくて、歌詞を愛し合う男女の死別に置き変え、自分の心情を歌に重ねたんです。
多分ですけど(^^;。
桜桃忌の隠された主題は、<亡き母と殉死したかった若者の心象風景>であり、まさに青い<青春の鎮魂歌>でしょう。

泣かされます~; 世の母堂に聞かせたいダヴィンチコードですね。
なんちゃって、私の主題のとらえ方ですので、思いこみ激しすぎで違ってるかもしれません。

私は、母のない子をうらやましいと思うほど困った母とつきあってきたし、私自身も良い母ではないので、実は母性愛に対し普通の人より鈍感です。でもその私からしても心洗われるものがありました。
周囲の母親たちを見て思うのは、母と息子の結びつきは特殊です。
母にとって息子は、生涯で最も無償の愛を注いだ異性で、息子にとって母は、生涯で最も無償の愛を注がれた異性なんです。
私が世間一般の母と違い、そんなに息子を溺愛してる方ではないのですが、その私にとっても息子はそうでしょう。私がもう一度青春のラブソングを聴こうと思ったタイミングは、息子が家を巣立った時でした。息子が手元にいる時は、ラブソングを聴こうという気にならない母性の不思議。
夫や娘は良き理解者で親友で共同生活者ですが、息子は何か理解できない異性の神秘を持ってるような気がします。同様に男性にとって、いや人生にとって、生命の根源である母性は永遠の神秘なのかもしれません。


こうして、好きだった龍雲さんの桜桃忌をまた違った角度で味わえる感動は、歳を経たからこそわかる味わいかもしれません。

昔好きだった音楽を聴いて、昔とは違う味わいに気付いた時、老いることはそんなに悪くないと思えます。

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