ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

DVD「蒼の轍」~創世のLove Song~

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

何故生物は、かくも美しく啼くのだろう。
新緑の光の中、幾つもの山なみを渡る鳥の声も、
秋の夜長、瞬く星々の律動と共鳴する虫の音も
全身全霊をかけ、至高の響きを目指して・・・
命尽きるまで、何を歌っているのだろう

それはLove Songだ
愛は死をも内包した生命を司る

地球に新しい命が生まれ続ける限り
Love songは流れ続ける


私はその歌声を知っていた
きっと生まれる前から、
いやそれ以前、
創世の彼方から
悠久を生きるmitochondrion の記憶
私の裡に在る光と闇と共に

幾度生まれ変わろうと
必ずや私は探しあてるだろう
その神秘の歌声を
生命の凱歌Love songを

蒼の轍に導かれて


蒼の轍


2002年に発表されたDVD「蒼の轍」は細坪基佳氏のDVDの中で最も気に入っています。 アコースティックカフェ(バイオリン都留教博さん、ピアノ中村由利子さん、チェロ前田善彦さん)の3人とのアンサンブルで、フォーマルな装いに演出された氏のボーカリストとしての魅力を十分堪能できるからです。
バラード1曲1曲の一語一語、歌われている情景や心情が目に浮かぶようで、切ない表情と美しい歌声は、魔性を帯びてるように心奪われました。時に歌っているのが誰なのか聴衆の表層意識から消えてしまって、歌詞の人物その人が歌ってるような訴求力に、日常を離れその作品世界の中に自分が佇んでいるような不思議な感覚に引き込まれるのでした。

収録曲
1,五月雨 2,初恋 3,作品A 4,風の轍 5,高き空遠き夢 6,旧友
~イメージリクエスト~7,From Squid Port 8,Long Long Ago 9,帰り道
10,Blue 11,赤い傘 12,夕焼けの翼 13,Autmun Morning 14,Genesis
15,パレード 16,ステーション 17,おやすみ 18,夜想曲
EC,セクシー 南風の頃

細坪氏はご自身のHPのプロフィール(いつの間にか更新されてたようです。とても面白いです。興味のある方是非ご確認を。)で、このDVD発売について、以下のように紹介されています。
2003年、デビュー以来初めてのDVD「蒼の轍」を発売。アコースティックカフェと細坪のみの構成は斬新かつ新鮮であった。後年のキミマロ節とは違いMCが繊細かつソフトだと評判である。

後半のMCについては微妙に同意しかねますが(笑)、選曲が氏の歌唱力を生かせるしっとりした曲が多く、アコカフェの伴奏が華麗に歌詞世界を演出しているから、繊細でソフトな印象となり、映像作品として好評を得ているのでしょう。蒼を基調としたステージの視覚効果も、味わいを感じますし、アコカフェのオリジナル曲演奏やイメージリクエストコーナーもあって、幅広い音楽を堪能できる価値あるDVDです。

個人的にも収録曲に好きな曲が多くて、家族が寝静まった夜、手にとって一人鑑賞しています。特に「風の轍」と「Genesis」はとりわけ好きな曲ですが、現在ライブで歌われてそうにないので余計希少価値を感じるのでした。
また「帰り道」「パレード」「ステーション」といったかつてのふきのとう曲もすっかり装いを変え、氏のソロ曲として見事に生まれ変わって自立し歩みだしてるかように、新境地へと聴衆を魅了するのでした。

<風の轍>
細坪氏の詞に登場する単語の中で、記号のように特徴的に幾度か登場する語があります。(例えば「絵葉書」という言葉。過ぎた日の美しいけれど実体ない幻想のようなイメージに使われることに特徴を感じます。)
その中で「轍」という言葉、いくつか思い出してみると今回のDVDタイトル蒼の轍、風の轍、雲のわだち、小道に続くわだちのように・・・
道に刻まれた平行線に人生をなぞらえたこの言葉を多用される氏の感性に共感を覚えます。
実際、舗装道路が多い現代社会で目にする轍は、泥道の自家用車のタイヤの跡なはずなのに、歌を聞いて目に浮かぶのは広大な田畑に続くあぜ道の荷馬車やリアカーのような細い2本の軌跡、「吹きすぎる風ばかり」のレトロな原風景です。そこに風や雲といった天空過ぎゆく森羅万象が交錯し、時に切なく時にさびしく時に清々しく、歌に描きだされた映像に無限の奥行きと深い情感を感じるのでした。

そして「風の轍」に続き「高き空遠き夢」この選曲の流れが秀逸で、深く感情移入させられます。


実はこのDVDを初めて鑑賞した時、収録曲を確認していなかったので、グローブ座の聴衆と同じように次に演奏する曲タイトルを知りませんでした。曲紹介ないままに中村由利子さんのピアノイントロに、ひょっとして?という予感がしました。続く都留さんのバイオリンの主旋律が被った時、全身に電流が走ったようで、細坪さんが歌い始めると涙がこぼれました。

というのも、余談になりますが、私が大学卒業後、初任給で買ったステレオ、実家の応接間の置物になっています。
去年ふと見たら、ターンテーブルにLPレコードが置かれたままになっていたのに気づきました。多分20年以上そのままだったのでしょう。果たしてそのレコードは・・・「木精」でした。クラッシックや映画のサントラ盤含め80枚ほどLPレコードを持っていましたが、針が入手できなくなった時代、CDに移行しレコードを全く手にしなくなっていて、いつの間にかレコードはみんな物置の奥にしまいこまれていたようです。
それにしても私が最後聞いていたレコードは、「木精」だったとは。・・・・・B面の1曲目「風の轍」がスピーカーから流れる度、心ふるわせていた瞬間を思い起こしながら、もう一度ジャケットに戻した時感慨深いものがありました。
個人的にとても思い入れの深い大好きな曲だったのです。(以前感想アップココにしてます)

この映像が残っていたこと、そしてそれを手にできたことに、運命の神に心から感謝しました。

<Genesis創世記>
歳月は流れ・・・再び巡り合った今この瞬間もまた過去となり・・・
いつかこの肉体が果てても、私の裡に在る光と闇は朽ちることなく宇宙に還元されるのでしょう。散り散りに旅立つ魂達ともいつしか、創世の約束の地で巡り合える気がします。
神秘の歌声に誘われて。

細坪氏の61回目のお誕生日、心よりお祝い申し上げます。
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