ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

映画『風に立つライオン』★★★★☆

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

風ライオン
娘二人と観てきました。
ケニア国境近くの野戦病院、スーダンの内戦で傷ついた兵士・子供達の治療に奔走する日本人医師を描いたヒューマン医療ドラマ。心優しい医師航一郎の善意は次なる善意を生みます。
2011年3月25日、東日本大震災の被災地で、傷ついた日本の少年に「ダイジョウブ」と声をかけた黒人医師は、かつて航一郎の患者だったスーダンの少年兵でした。
エンディングで流れた「風に立つライオン」に涙がほろり。戦争が憎しみの連鎖なら、平和は愛の連鎖なのだと。

善意の連鎖、地球のどこかで戦禍や災害で苦しんでいる人に力になりたいと願う人が増えて行く様が、映像から伝わってきて、ここ被災地にあって「希望」を力強く感じる映画でした。
またこの映画と主題歌で気高い志を持って医療従事者を目指す人が更に増えていくだろうことに、大きな意義を感じます。
派手なハリウッド映画好きの私としてはエンタメ性が皆無なので、映画としての評価★×4ですが、さださんの名曲「風に立つライオン」と「Amazing grace!」に泣かされたので、0.5加算です。(注、意見には個人差があります)

以下ぶっちゃけネタバレ。
○映像
良くも悪くも、歌詞の名シーンは映像化されてないんです。
私はてっきり「愛と哀しみの果て(アウトオブアフリカ)」とか「沈まぬ太陽」みたいなに、「百万羽のフラミンゴ」や「キリマンジャロの白い雪」「草原の象のシルエット」が観られると思ってましたが、ライオンすら動物は一切登場しませんでした。ちょっと拍子抜けでしたが、エンタメ性を押さえ淡々とテーマを描いたことが、ヒューマンドキュメンタリーのようで良かったと思います。
さださんの仰るケニアの「風」は感じたし、その異国の情景と、長崎の離島の生活感あふれる映像のコントラストを一つの映画の中で観られるというのが斬新でした。(ライブ友のaさんはこの映画でカレーは食べたくなったそうですが、私はお刺身が食べたくなったり^^;)
その点、津波被災地の映像だけはCGっぽいバーチャル映像で違和感あったのですが、あるいは生々しい映像で被災者のフラッシュバックを回避する意図かもしれないですね。

○手紙
島田医師が日本にいるかつての恋人にあてた手紙。歌詞通りなのかなって予想したら、不器用な一文。上手いな~って思いました。
だからエンディングで泣けるんですね。
まあ歌詞通りのストーリーだったら、エンディングにこの歌詞流れたらあらすじ追ってるみたいで陳腐になるので、どういうストーリー展開にしたのか気になってはいましたが、納得です。
さださんご本人はライブMCで、映画の感動の余韻が自分の歌声で、はっと我に返ってしまったと言ってましたが、観客はこの歌が感動の頂点でしょう。

○医療ドラマ
患者達は少なくとも心は僕より健康だ」という歌詞でしたが・・・肝臓癌患者の過去話は傷心ケニアに渡る動機としては弱く、そこは違ったかなって。やっぱり戦場で傷ついた人の方がずっと心病んでましたw
日本の離島で、そして遠いアフリカで、医療に従事する人の志に崇高なものを感じます。
良くも悪くも、「白い巨塔」を初めとする昨今の医療ドラマと違い、医師は皆善良な人に描かれています。悪い人が出て来ないので、毒がないというか、心えぐるような展開がないので、物足りない感じはします。葛藤も苦悩もたいしてない人物(吃音の描き方も甘かったような・・・)なので感情移入はしにくいのですが、こういう映画もたまには良いなって。
(まあ、さださんの音楽にも毒がないというか、理想的な人間が多く、心に闇を持つおどろどろしい人間は登場しないですもんね(^^;。)
医療を志す人間、あるいは医療の理想を信じる患者のことを思えば、こういうドラマも欲しいです。たまたまうちは子供2人が医療従事者を志し、1人が難病児で生まれてからずっと今まで患者として大学病院で高度な医療を受けているので、こういう映画は安心して見せられます。一緒に観た娘二人ともとても良い映画だったと語り合ってました。
この映画では「シュバイツアー」の伝記が主人公が医師を志すきっかけでしたが、子供に理想に生きる大人がいることをちゃんと見せていくこと、それがすごく大事な教育だと思います。
少年兵だったミケのように不遇な生育歴でも、出会いによって、教育によって人は立派な人間に陶冶されるんです。
9人殺したという少年の言葉に、私は主人公の次の台詞が完全に読めました。映画「ガンジー」の、「俺はもう神に国にいけない、人を殺した。自分の子を殺されたからだ」と喚くヒンズー教徒にガンジーが「お前が神の国に行ける道を教えよう。親を亡くした異教徒の子をお前が引き取って我が子として大切に育てるのだ」と諭す名シーンが思い浮かびます。
教師である父をその教え子に殺され、人間への絶望と復讐心に心を閉ざしていたミケですが、医師看護師らとの出会いで心の闇を克服して憎悪の連鎖を抜けだし、善意の連鎖をつないでいくドラマが、実はこの映画作品の1番の見所です。
歌詞の物語にはない部分ですが、人間は人間性の中で人間になる、という教育の本質を描いています。


○更生
テレビ全然観ないし、邦画もあまり観ない方ですが、観た中では高確率で大沢たかおさん出演の映画に当たってます。「こぎつねヘレン」と「世界の中心で愛を叫ぶ」が印象深いかな。
そして監督三池崇史さん。
強烈だったのは、「ゼブラーマン」ですね。世間的には「着信あり」でしょうか。
私が興味持って観たのは、「妖怪大戦争」ですが、どっちかというと任侠物とかホラーとかおどろおどろしいエンタメ映画のイメージでしょうか。
なのでさださんのライブMC、爆笑しちゃいました。
三池監督のお嬢さんが「風に立つライオン」の試写会で「お父さん、今度は私が観られる映画なの?」と聞かれ、
「いいか、人間ってのは<更生>出来るもんなんだよ」
そこで反応して爆笑してたの会場で私だけだったような・・・
映画観てなるほど~って、あのMCとミケが重なって、ますます笑えたのが最大のユーモアでした。

○経済帝国
「やはり僕たちの国は残念だけれど大事なところでどこか道を間違えたようですね」
は描かれてなかったような(^^;。

さださんの被災地ライブレポ、書かなきゃと思いつつ、先に映画感想・・・・
こんなに時間経ってから、書けるのか?<自分


※追記
航一郎のラストシーン、「私はドクターだ」は、水木しげる氏の「総員玉砕せよ」の軍医が「私は医師だ。人の命を救う仕事だ」と叫んだシーンを思い出し、胸が痛みました。
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