ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

DVD「ニューシネマパラダイス」★★★★★

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

目下絶賛おっかけ中のアーティスト細坪基佳さんお勧めの映画でしたので、早速レンタルで見ました。
全編全然退屈するような映画ではなかったです。こういう映画、好きなので。

舞台背景となったシチリア島、映画が神の娯楽だった時代、老若男女富裕層も貧民も、同じ場所で同じものを見た古き良き時代のノスタルジーと、愛すべきユーモラスな大衆への温かい目線を感じる良質の映画でした。
たくさんの娯楽にあふれかえった個人の時代にあって、なおさら失われたコミュニティを懐かしく微笑ましく思えるのかもしれません。

ストーリーは、主人公トトと映写技師アルフレードとの心の交流、そして永別までを少年期、青年期、壮年期に渡って描かれています。
○少年期、
映画に熱中する腕白な少年トトは、映写技師アルフレードに可愛がられ、やがて映写技師としての技能を習得し、視力を失ったアルフレードの後継者になります。

無邪気に好きな物だけに夢中になれた自分や我が子の幼年時代が懐かしかったです。

○青年期、
映写技師として奔走する日々の中、トトは恋に落ちます。しかし徴兵をきっかけに運命に翻弄され仕事も恋も失うトト。深い失意の中、彼は故郷を離れるようアルフレードに説得され、彼は2度と帰らぬつもりで首都ローマに旅立ったのでした。

故郷が挫折の記憶でしかなかった過去の自分を見ている気がして、感慨深かったです。

○壮年期、
30年の時が流れ映画監督として社会的成功を収めたトトの元に、アルフレードの訃報が届きます。
彼はそれまで一度も帰っていなかった故郷へと向かいます。
故郷ではかつての恋人と再会します。実は彼女はアルフレードからトトを諦めるよう説得されていたのでした。
すれ違いをくり返しただけで、今も思いはお互い変わらない。しかし彼女には家庭があり、彼女と一夜限りの逢瀬でこの恋は終わるのでした。
トトの手元にはアルフレードが残したフィルム、それは少年の頃、神父がポルノと判断しカットされたラブシーンをつなげた映像でした。
一人映画館でそれを見るトトの瞳は少年のように輝きます。
どんなに遠く離れいても父として師として友人として、アルフレードと映画がいつも自分と共にあった人生を回顧するかのように。

しみじみと心打たれるラストシーン。心地良い余韻に浸れました。

以下雑感です。
○父と母
でもなんでか私が1番泣けたのは、父親の戦死の知らせに涙する母親でした。「クラークゲーブルに父親が似ている」という伏線に「風と共に去りぬ」の看板はベタだと思いつつ、泣けました。
それまで気丈に振る舞って来た母親の涙に、父不在の家庭を明るく元気づけてきた少年はさぞかし心痛めただろうなって。子どもの可愛そうな話に涙腺弱い;;

少年はアルフレードに父を求めていたのでした。

良くも悪くもこの母親は考えさせられるものがありました。
この母親は終盤理想的な人に描かれますが・・・
当初、トトの映画熱中ぶりを阻害する、息子の才能を理解しない母親だったんです。
ところが映写技師として、幼いながら労働するようになったら、せっせと息子に尽くす理解ある母親になったような・・・・
子どもが成功すれば母は子どもを誇りに思うが、成功しなければどうだったんだろう??
というのも、私も息子の熱中するものを取り上げようとした悪い母だった記憶が蘇るので。息子の熱中するものを阻害しまいと思いつつもあまりに度が過ぎるので、けんかばかりした日々を思い出します。(何かに熱中する性格は私と息子似てますね^^;)
今は、一応親の期待にも応え、自立しているからこそ、何をしていようが不満がないのは、これは実は親の功利的な感覚なのかもしれないです。。
一方で何も親の期待に応えることなできないだろう、病気の娘に思い及んだり・・・
成功だけを望まない、失敗も挫折も受け止められる親にならないと、とふと思ったり。

○切り取られたラブシーン
すれ違いのラブストーリーは、90年代当時「恋に落ちて」とか不倫ドラマが流行ってたなあとか思い出しました。
なんで彼女が彼を愛するようになったのか?展開にリアリティ感じなかったのですが、、
結局彼女は身分相応なハイソでなく、愚鈍なトトの同級生と結婚してたという・・・@@;。

ここで考えてしまうのは、
何故アルフレードが、トトとトトを愛する資産家の令嬢と引き離そうとしたのか。。。。
天才は凡庸な生活、文化的刺激ない地方では、開花しないということなんでしょうね。
人としての片田舎で平凡な幸せを得てしまったら、彼は映画監督としての前途を絶たれてしまうしまうというアルフレードの芸術至上主義的考え方、師弟愛からなんでしょう。
ローマで美しい女優と恋に落ちたりしないことまで、先を読めてたかどうかはわかりませんが・・・


ある意味アルフレードの行為は神父と同じで、彼の人生から濃厚なラブシーンを切り取ってしまったとも思えます。あの遺品の映像は、その償いなのかもしれません。
30年前の亡霊のような愛の結末を空虚に思うトトでしたが、ラブシーンで埋め尽くされた映像を見て、改めてアルフレードが孤独に耐えても映画人としてのトトの成功を祈っていたこと、その深い愛に心打たれるのでした。

映画こそ人生の喜び、死が隔ててもなお彼らが心に共有するパラダイスなのかもしれません。
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