ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

映画「杉原千畝」★★★★

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback



日本のシンドラーと称される杉原千畝。
リトアニア領事として、日本政府の許可を得られぬままビザを発行し、ホロコーストから6000人のユダヤ人の命を救った人物です。
彼がユダヤ人を救済したヒューマニストというのはよく知っていましたが、本映画では彼は優れた外交官で的確に世界情勢を読んでいた人物としても描かれていました。
彼は日本の国益のために貴重な情報を本国に提供し続けたのですが、軍部主導の政府は取り合わず、結果日米開戦を回避できなかった・・・・その無念に打ち震える姿に、彼は本当に祖国を愛していて、日本の外交官として高い志、強い使命感を抱いていたということに新たな感動がありました。

リトアニアで彼の片腕だった者達は、母国政府の命令より目の前の人命を優先したので、外交官としては無能でも、人間としては崇高であったと、彼らなりの最大限の称賛を送ります。
でも、国益のために命を賭して働くのが外交官の使命なら、彼こそ有能な外交官だと私は思えました。
人のためになることが、結果的に「国益」でしょう。人類のためであることが、人類の一部である一国家のためにならないなんてことの方に矛盾があるのです。
戦後公職を追われた彼がその行為によって個人としては報われたとは思えませんが、世紀を超え今世界中に一人の日本人の「勇気」ある行動、極限化の「人間性の発露」に畏敬の目を向けられていることを思えば、それは大きな国益に他ならないのです。

+++++++++++++++++++++++++++++

以下ぶっちゃけ感想です。


「シンドラーのリスト」が好きな映画ベスト3の私、高校生の次女と観る映画は、スターウォーズよりやっぱりこれです。
世界の不条理に目を向け始めた年頃の次女と、先日昔の「映像の世紀」を見直して、「シンドラーのリスト」を作ったスピルバーグ監督がその後発表した「ミュンヘン」(「ミュンヘンの道」、男子バレーボールの金メダルに感動したオリンピックでしたからね~)のあらすじを説明したり、あの気持ち悪さったら・・・、民族紛争、飽くなき報復合戦の現代中東問題を語り合った後だったので、なんかすごく観たい気分だったんですよ~。
人類の暗い影を払拭するような、人間の善良さ高潔さ、光を観たい気分。

なので、冒頭の昭和30年、イスラエル人がセンポ杉原を探したシーンで既に涙ボロボロ;; センポと読ませたので、生き延びた人は彼を探せなかったんだよね~;;
杉原の母校の校訓「人の世話になるな。人の世話をしろ。報いを求めるな。」で涙;;
天知る地知る我知る。人を助けることに報いを求めること無かれ、宮沢賢治のグスコーブドリの伝記や銀河鉄道の夜を思い出したり、前日の日記の国恩記を思い出しちゃいました。
更にソ連領事が杉原の後輩でその校訓を思い浮かべ、人道的見地からユダヤ人難民の日本渡航を後押ししたことにもうるうる。
ポーランド人の側近、鳥でさえ帰るところがあるのに、とつぶやくシーンでほろり。ポーランドの歴史って悲惨だよね~;;
日本の船舶に乗ったユダヤ人が日本の本土が見えた時、多分現在のイスラエル国歌だと思われる歌を唄いだしたところでも涙でした。約束の地を求めて流離うヘブライの民よ;(人類のベストセラー旧約聖書が2000年に渡る混迷の元凶じゃないのか・・・ーー;)

○映像
ドナウ川のさざ波のワルツを踊るシーンと太平洋戦争の実写が重なった映像は秀逸でした。
その一方、映像の世紀でかなり悲惨な映像観てるせいか、予想してたアウシュビッツの実際の映像や、原爆投下シーンがなかったので、映像的には少しぬるいものを感じました。
またあえて杉原が助けたユダヤ人科学者が米国に渡り原爆開発に携わったという一見ネガティブな話題を出した後、それによって救われた人もいるという落とし方でいいのかな??米国に気を遣ってる??終戦を早めるためではなく、実際落としてみたかったっんじゃないのかなとか・・・・
帰国後、外務省から不遇な扱いを受けたと思われる部分は描かれてませんでしたね。
実在の人物なので、悪い人として出したくない意図があるのかなって。
そういう意味で、「風に立つライオン」みたいに関東軍以外悪い日本人は出て来ないドラマで、安心して観られるけれど、ノンフィクションとしてはぬるい印象が残りました。

あとすごく残念だったのは「人間の条件」の加藤剛さんが好演したテレビドラマでの1番の感動シーン。ペンも折れ、痛む腕で、汽車の窓からサインし続け、いよいよ発車した時「もうこれ以上書けません、すみません」と誠実に謝るあのシーンが観たかった・・・・
この映画ではスタンプを側近に託し、「残った人はこれで」とうやむやにして汽車に乗ったので、ではあの後偽造ビザが出回ったんでしょうか???

3号は放送部なので、どうも役者さんの滑舌が気になったようです。主人公はともかくそれ以外が上手くないなって。。
多分、当時のフィルムやラジオをまねて、帝国軍人っぽいしゃべり方をしてるんだと思うのですが・・・・
もちろん、3号、映画内容にはとても満足してました。小さい頃から偉人の伝記をよく読ませました。
親としては、偉くなくてもいいから、人の役に立つ人間でありたいという理想を持ち続けて欲しいと心から願っています。
関連記事
スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://fuzakeoni.blog3.fc2.com/tb.php/887-1dc89110