ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

青春の桜貝達

Posted by ふざけおに on   0 comments   0 trackback

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ここ数年、ふきのとうが芽吹く早春、
何故か桜貝を探しに浜辺に行きたくなる。
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輝く春の陽光、打ち寄せる白い波、暖かさをはらむ海風・・・
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五感で春の海を感じながら、夢中で桜貝を探す。
時を忘れるってこういうことなんだね。何時に何をしようかとか、あれしようとかとか予定を考えない時間。
現実も夢もどっちも遠い世界のことのように思える時間。心もひねもすのたりのたりかな。
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今打ち上げられたばかりの濡れた桜貝
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少し前まで海中で何を夢見て生きていたのだろう。
命をまっとうした後もこんな風に美しく可憐な姿を見せてくれる。

NSPやあんべ光俊さんの曲が脳内を流れる
時々海を見たくなるのはみんな海から生まれて来たからさ」(漁り火
海が怖いとあなたが言う、波のしぶきが襲ってくるという」(砂浜
海に死のうと思い詰めてたあの頃を笑うことで大人になった」(海によせて
誰もいなくなったもう誰もいなくなった、海を見つめてる」(そして誰もいなくなった
あれ?な~んだ、今見てるこの光景には似付かわしくない暗い歌詞ばかりじゃん。
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でもなんか心地良く脳裏を流れる
打ち寄せる荒波のように君への思い溢れる(君に逢いたい
ああ、この曲なら今の心情にはまってるかなとか・・・。


天野さんもあんべさんもずっと海にいたから、海を唄ったわけじゃないんだよね。
今、海辺に住んでいないから、海に憧れるのかも知れない。
たとえば、「北国の3月に春は来ない」。
北国の人間は3月は春ではないのが当然だから、唄にしない
関東の人間は3月が春なのが当然だから、唄にしない。
両方を知る者だけが唄にするのだ。
あんべさんは遠野の住人ではないから「遠野物語」を唄ったんだよね。
ふるさとは遠きにありて思うもの。。。
心惹かれる対象から、時に離れてみて、その真価が見えてくるものかもしれない。

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青春時代、好きだった叙情派フォークを今になって聴きたいと思うのは、
ちょうど春の浜辺に桜貝を拾いに来る行為に似てる気がする。

青春の音楽は桜貝のようだ。

若い頃、ひとけのない浜辺にいたから、桜貝をよく見つけたのかもしれない。
でもだんだん浜辺にたくさんの人が集まり、目を惹くような大きな貝や派手なガラス細工がばらまかれて、
小さく脆い桜貝は踏みつぶされてたのかもしれない。
ほら、こんな風に大きな車の轍があったら見失ってしまう。
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というか、私はずっとその浜にはいなかった。
桜貝は、華やかな流行を追う鑑賞者に囲まれていたいだろうし・・・。
特段私みたいな芋じゃりに見られたいわけでもないだろうし、
他の場所にきっと私の求める美しい何かにまた出会えるかもしれないし、
自分に自信がない卑屈な精神ゆえ、自分の価値観にも自信がなかった。
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というか、私はずっとその浜にはいられなかった。
大人になって、過酷な現実を生きることに精一杯だった。
ずっとその浜で桜貝だけを見ていられる人はある意味恵まれているのだと思う。

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丘に上がっても、大海を泳いでいても、桜貝は見つからない。
でも丘を見て、大海を見て、世界を見て、いつしか浜辺に戻って見る桜貝は
比類無く美しいと思える。
違う世界を見てた分、多くのライフイベントを通過して来た分、
若い頃より、桜貝の価値がわかる気がする。
私がもし桜貝だけをずっと見ていたら、桜貝の何がどう美しいのか、
自信を持って語るすべを持たなかっただろう。
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NSPもあんべさんも一度は演奏活動を離れたから、
自分達の音楽がかけがえなく大切なものだと気付いたのかもしれない。


私は30年空白ある出戻りだけど、青春のかけら達を探しに浜に出かける時間が持てた・・・・、
桜貝探しに没頭出来る今に辿り着けたから、割と良い人生を歩んでる気がする。
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