ログハウス

趣味の画像と家族日記。 主に児童向けの映画、書籍、TVの感想や家族の話題を徒然に綴ってます。

細坪基佳 Live of Nocturne 2016

Posted by ふざけおに on   1 comments   0 trackback

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最近、精神科医で作詞家の北山修氏のネットインタビューを目にしたら、ミュージシャンに心を病む人が多い理由として、一度のライブで相手にする観衆の多さと、当人はとうに唄い飽きてるヒット曲、1年に5回位ならまだしも毎回ライブの度歌い続けることの無理をあげていたと思う。歌謡曲歌手と違い、シンガーソングライターは自分の唄いたい歌を歌う人種だから、みたいな話だった。
とすると、前から思ってはいたけど、改めて40年「白い冬」「風来坊」「春雷」ら、他人の曲を唄い続ける細坪さんの強靱な精神力は驚異的だと思うし、これからも何とか頑張って唄い続けて欲しいとも思う。
一方で、今この瞬間唄いたい歌を、今の自分の表現したい心情をリアルタイムで聴きたいのもファン心理。

そういう意味で、2015年のネーチャーに続くノクターンライブは、細坪基佳純度が高い選曲で、今彼が歌いたいリアルな心情が歌唱に乗り、歌詞が真実として迫ってくる、ファン必見のスペシャルライブだ。
繊細な軽い響きを意識されてるようで、高音域の抜いた透明感あるボーカルは、天性の柔らかい喉の健在ぶりを伺わせた。
ピアノ妹尾武さん、ヴァイオリン都留ノリヒロさん、チェロのAyakoさん、クラシカルな弦楽アンサンブルは格調高く、鮮やかに楽曲を彩り、思い通りに自分を唄えてる充足感で、伸びやかなロングトーンが一段と冴えまくっていて、
細坪さんの自由への飛翔を見るような圧倒的ボーカルに鮮烈な感動を覚えた。


セットリスト
1Blue
2赤い傘
3吹き過ぎる風ばかり
4ばーじにあすりむ
5もう帰れない
6夜空のムコウ
7Sentimental Boy
8ただひとりの人
9終章
10僕のエレファント
11走馬燈
12少女へ
13セピア色のOld Time Song
14追想
15夕焼けの翼
16あの日のように
アンコール
17もの憂げな10月
18バス停まで
19歳時記
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○ピアノ三重奏+司会者
フォークソングも好きですが、クラシックもそこそこ好きな私にはたまらない構成。
この日、ネイビーのスーツに身を包んだ細坪さん、日露首相会談に臨んだ安部さんと服装被っちゃった~と笑ってましたが、よくお似合いだと思いました。本当にもう~今日はなんてかっこいいの~、韓流ドラマ出てくる美青年のような
☆都留ノリヒロさん(そっちかい)。ジョンレノンのように知的で品位に満ちていて・・・溜息出そうなほどかっこいい。
今回、これだけのレアなセットリストが短期間で実現したのも、滅多に演奏しない曲を楽譜起こしした都留さんの尽力あってのことだとか。感謝感謝お疲れ様、黄色い声が出そうなのを我慢した程かっこいい。
細坪さんと長いつきあいの都留さんもセンチメンタルボーイは知らなかったそうで、確か15周年ビデオに入ってたよねってみんなで話してたら、よくここにコメント下さるfujitsuboさんが公式BBSで都留さんサポートでなかった事実を解説してましたーー!さすが!マニアック@@;。
終章の間奏はアドリブとも思えないほど鬼気迫る演奏、凄かったです。細坪さんがリフト乗り遅れたおかげで得した気分。

☆妹尾武さんのピアノ、指が20本くらいあるんじゃないの?ってな位、88鍵滑らかにフル稼働してるような錯覚。特に最低音から上昇してくるグリッサンドだと思うのですが、体の奥に響くようなすごいインパクトでした。メロメロ~。
山木さんに近い中音域と説明されてましたが、個人的には細坪さんとのハモリ相性は最高だと思いますよ~(^^)

もの憂げな10月、ちょっと二人の声量足りないかなって思ったらあちらこちから一緒に歌う声。私は歌っていいって言われた「歳時記」だけ唄いましたが(それも本当にささやく程度にです)、ライブの楽しみ方は人それぞれで良いと思います。
基本ふきのとうの懐かしの定番曲は自然発声的に唄ってあげた方が、北山修氏の言うルーチンの負荷を下げ、ノリでやれるので細坪さんも楽だと思います。小田さんやさださんもそんな感じですよ~(^^)。最後はみんなで大合唱で大団円がふきのとうですよね\(^o^)/。

☆Ayakoさん、控え目ながら可憐で美しい女性ですが、マイク向けられ「何を言えばいいんですか?」と司会者泣かせのリアクション。初々しいじゃありませんかw
チェロ弾いてる時は鋭い鷹のような眼光で、男性陣以上に力強く演奏されてました。
ピッチカートに胸キュン。聴衆の心の琴線が一緒に弾かれちゃいます。
また、細坪さんのやたら長いMCを身を乗り出して一生懸命聞いてる姿が印象的でした。(見習いましょう<平賀さん)

☆司会者MC快調、歌は司会者にしては上手すぎ~(笑)
歌い出しの音を探る揺らぎがすごく独特で私は好きです。心のやわらかいところを握られるようなくすぐったいような浮揚感。一旦唄い出すと歌詞のイメージングに優れてて、歌い終わりの安定した圧倒的量感のロングトーン、完璧な歌い終わりって感じが細坪さんですね。(出だしはばっちりの響きで正確でも、唄い終わりまで量感増減ない小田さんにはない感じですね)
「終章」の間奏とバス停まで(だったと思う違ったらすみません)のイントロが普段の伴奏と違うので、歌、入るタイミング取れなかったのはご愛敬。これだけ、レアな曲、かつ聞きたかった曲を揃えてもらって申し訳ないほど。(←私のために選んでくれたのねーっと思い込むバカ。「あの日のように」しっかりファンの皆様のお顔見ながら唄ってたよね。きゃあああ~こっち見た見たーーーとか喜ぶ隣席の友人、あのね、暗いから、このあたりは全然ステージから見えてないと思うが^^;)。
「終章」はこのままエンディングにしちゃうのなかとハラハラしましたが、でもちゃんと崩れることなく、最後のリフレイン、丁寧に歌いあげられました(^-^)/。

○終章
「ただひとりの人」から「終章」の流れが秀逸。
「もう帰れない」から「夜空のムコウ」も迫ってくるものがありました。
終章は初めて生で聴いたと思います。
沈鬱な悲恋ソング。
「愛という手錠であなたを引き留めようとは思わない」
掴まえようとすると飛び立つ蝶。もう追わないと決意する男。
双方が愛の終わりに合意しているようで、案外彼女は追われることを最後の切り札に愛を引き延ばそうとしてるような・・・・・・

○走馬燈
これも大好きな曲で、初めてライブで聞きます。
妹尾さんの安定した重厚低音のハモリで、細坪さん、それはそれは優しくフェミニンに唄ってくれましたよ!<Dewさん、聞かせたかったです。
童謡のような優しい曲調でも、でも決して明るい楽しい夢の世界ではないこの曲は、細坪基佳にしか書けないファンタジー世界に思えます。
もう一人の私が私を見つめてる、自分を観察する自分、その自分がいる世界に自分が行ったとして、そこにあるのは生命のない精神世界。
走馬燈に浮かび上がる、悲しみに涙を流すこともできなくなった成熟した彼は、それでも生きることを大好きだったと言えたらいいと、もう一つの世界にいる青い自分に言い聞かせているのかもしれません。
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最近「ポップスで精神医学」という本の影響か(この本のレビューも書こうと思ってるのよ<あんべさん)、斎藤環氏の石野真子解離3部作論、細坪さんのラブソングや等身大の生き方を唄うフォークソングとは違った、シュールレアリズムの絵画のような超現実的異彩を放った曲群を連想させるキーワードがありました。
「解離」「離人感覚」「現実感喪失」といった現実の自分が自分ではないという感覚を表現した作品かもしれないです。
細坪さんの中に封印されたもう一人の存在の気配を感じる今回のラインナップ。
「ポップスで精神医学」風に書くと・・・こんな感じかな
↓↓↓↓


僕の中の<僕>、僕の中の<君>
「ふるさとに帰ったら」、見送る男も帰る女も彼というなら、
「青空」でベンチに座る男も彼で、あめ玉をしゃぶる無邪気な子どもも彼だろう。
「雨はやさしいオルゴール」、彼の心の中にだけ存在する成長を否認する少女、
彼の中にいる<君と僕>は
揺れる「走馬燈」の幻影のように不確かな存在で、闇に消えていく
「Sentimental Boy」、永遠の少年期を生きる穢れなき少年は彼の元を去り、
「少女へ」、成熟をやめた可憐な少女も凍える冬景色に埋もれ・・・、
いや、Sentimental BoyがMyBrightSummerなら、彼にとって輝かしい存在なのか。
いずれ成熟とは拡散した自分の統合であり、同時に少年期の喪失なのだ。
一度喪失した自分には「もう帰れない」、不可逆な変化、それが時だから。
でももし、もう一度喪失した自分を自在に呼び覚ますことができるとしたら、
それが彼の音楽の神秘なのかもしれない。


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ネーチャー2015のDVD、購入したから早く見たいのですが・・・
中村さんのライブ感想もあげないとまずい…カナ
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